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イニエスタに夢を与えたデンマークのレジェンド、ミカエル・ラウドルップ

2013年、スウォンジー監督時代のミカエル・ラウドルップ 写真提供:Getty Images

そう、ラウドルップはロナウジーニョが世界最高の舞台に現れるずっと前に、ノールックパスを実践していたのだ。ロナウジーニョの遊び心がいつもそうしたトリックを予感させたのに対し、ラウドルップには人を騙す真面目そうな態度があった。まるで誠実そうだったのに突然脱税していたことが明らかになる政治家のように。ロナウジーニョがその一挙手一投足にいたずら心が感じられる巻き毛の天才だった一方、ラウドルップは学級委員長か聖歌隊の少年のような髪型で、ハビエル・サネッティと同じく誠実に見えた。決してコンビニで万引きするとは思えない人間だ。だが実際には彼はロナウジーニョと同じ容赦のなさで、相手の4バックを強奪していった。難攻不落に見えるディフェンスにドリブルで向かっていき崩壊させてしまう、稀有なアタッカーだった。

ラウドルップはおそらく、早すぎる敗退の前に驚くべきサッカーを展開した1986年ワールドカップのデンマーク代表のリーダーとして最も有名だ。デンマークは優勝こそできなかったが伝説となり、ラウドルップは複数のヨーロッパ最高峰のクラブと同じようにこのチームでも先頭に立っていた。だが彼の遺産は輝かしいキャリアを過ごしたマドリード、バルサ、ラツィオ、アヤックス、そしてユベントスに留まらない。クライフのように、彼はイニエスタに夢を与えた。サッカーにおいて最も破壊的なプレーメーカーの一人に、何が可能かを想像する力を示したのだ。それに勝る栄誉が、果たしてあるだろうか。

著者:Musa Okwanga

ドイツのベルリン在住のスポーツライター兼ジャーナリスト。『New Statesman』、 『ESPN』、『エコノミスト』など多くのメディアに寄稿している。

Twitter: @Okwonga

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