2024明治安田J2リーグは全38節の日程を消化。まだJ1昇格プレーオフの戦いは残っているが、多くのクラブは来季に向けて動き始める時期となっている。
清水エスパルスは昨年、最終節で自動昇格圏から陥落。続くJ1昇格プレーオフでも決勝で終了間際に痛恨の同点ゴールを浴び、1年でのJ1復帰を逃した。しかし、失意のシーズンから立ち直るべく臨んだ今季は前半戦から好調を維持。途中アウェーで負けが続く時期もあったが、終盤は昇格が懸かった第36節栃木SC戦と優勝の可能性のあった第37節いわきFC戦をいずれも1-0と制して勝負強さを見せ、見事優勝でのJ1復帰を決めている。
しかし、2016年にJ2を戦い1年でJ1復帰を果たして以降は低迷が続いた過去がある。2022年に再び降格を味わうまでの間、1桁順位は1度のみ。今回も優勝で乗り込めるとはいえ、J1で戦い抜くためには補強も含めさらなる強化が必要なことは間違いない。特に今季は、DF住吉ジェラニレショーンやMF中村亮太朗といった他クラブから期限付きで加入した選手たちの活躍が目覚しく、来季に向けて去就が注目される。もちろん彼らに限らず、降格と昨年の悔しさを味わった選手をはじめ現在所属するすべての選手が重要な戦力であることに変わりはないが、ここでは清水が特に手放すことのできない選手を5名ランキング形式で紹介する。なお、期限付き移籍中の選手は対象外とする。
5位:沖悠哉
今季鹿島アントラーズから新たに清水へ加わったGK沖悠哉。シーズンの大半はGK権田修一が正GKを務めたため多くの出番は得られなかったが、終盤の第36節栃木SC戦に先発し無失点。続く第37節のいわき戦でもクリーンシートでチームに勝利をもたらし、J1昇格とJ2優勝を決めた2つのゲームでゴールを守った。
いわき戦では好セーブを連発。ゲーム序盤、苦しむチームを窮地から救う活躍を見せた。出場機会は限られたものの、すでに今季限りで権田の退団が決まっており、来季は沖が先発するゲームが増えることが予想される。元々は鹿島の下部組織出身であり、2020~2021シーズンは守護神として名門のゴールマウスを守った実績も持つ沖。シーズン終盤に多くの見せ場を作ったMF矢島慎也や長くチームを支える背番号「10」FWカルリーニョス・ジュニオらも欠かせない戦力であることは間違いないが、権田の退団と持っているポテンシャルの高さから手放せない選手5位とした。
4位:乾貴士
J2のみならず国内でも屈指のテクニックを持つMF乾貴士。昨2023シーズンは10ゴール10アシストの活躍で開幕から不調だったチームを救い、上位争いをするまでに導いた。今季も中盤や前線での存在感は変わらず、周囲を使いながらのチャンスメイクで活躍した。昨年の成績には及ばなかったものの、5ゴール7アシストと多くの得点に絡んだ。
また、前線からのプレスでも大きく貢献。36歳という年齢を感じさせない運動量で猛然とボールホルダーへプレッシャーをかけ、相手に余裕を与えず守備でもリズムを生み出す存在となっていた。同じく日本代表としても経験豊富なGK権田の退団が既に決まっている今、チームにとって頼れるベテランとして乾の重要性がさらに高まったと言えることから、手放せない選手4位とした。
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