
日本代表クラスの複数の選手たちが日本のクラブに移籍したこともあり、明治安田生命J1リーグ2021シーズンの盛り上がりはまた1つギアを上げる傍ら、J2リーグでもJ1昇格を賭けた熱戦が繰り広げられている。J2リーグは残すところ10試合。終盤戦、特にJ2においては私たちが予想もしていなかったような展開が起こりうるため、最後の最後まで見逃せない。
今シーズンもJ2上位グループ・下位グループでは混戦状態を極めており、残り試合はよりスリリングなポイントレースになることだろう。ここでは注目のJ2タイトル争い、J1昇格争いに位置するクラブたちの今後の対戦スケジュールを詳しく見ていきたい。

J2タイトル争い
現在のところJ2タイトルに最も近いクラブは、ジュビロ磐田(1位)と京都サンガ(2位)の2チームと言えるだろう。勝ち点差2の中で迎える終盤戦はひりつく展開だ。かつてはJ1で長らく戦った両チーム。J1復帰のカウントダウンは近いか。
上記の、両チームの今後の対戦スケジュールに注目したい。磐田は次節以降下位チームとの3連戦の後、現在4位のアルビレックス新潟、そして京都と上位チームとの戦いが続く。また好調をキープしている5位V・ファーレン長崎との対戦を控えているというのも気になるところだ。上位チームとの戦いを3試合残しているため、磐田のJ2優勝はもう1段階踏ん張りが必要と考える。
一方、京都は、次節以降同じく下位チームと5試合戦った後、磐田とのアウェイ戦に乗り込むスケジュールとなっている。その後も中位に位置するチームとの戦いでシーズンを終える。京都は毎シーズン終盤戦では勝負強さを発揮できず勝ち点を取りこぼす傾向があるため、1戦1戦を丁寧にこなしていく必要があると考える。
また、いずれのチームにも言及できることだが、第38節の首位攻防戦が最重要項目に上げられることは間違いない。この1戦の結果はチームのモチベーションにも影響を及ぼしかねないため「勝てば天国、負ければ地獄」とも言えるだろう。

J1昇格争い
上記はJ1昇格争いに位置するチームの対戦スケジュールである。前述した上位2チームを含め、全5チームにJ1昇格の可能性が残されていると考える。ただ依然としてJ1昇格ラインである2位京都と3位長崎との間の勝ち点差は「9」と、3位以下のチームにとっては難しい戦いが続くことには変わりない。さらにこの差を埋めることが難しい要因として、まだ上位チームとの直接対決が多く残されていることが挙げられる。
昨シーズンは昇格争いに敗れ3位で終えた長崎。次節から続く新潟(4位)ヴァンフォーレ甲府(5位)との2試合は今後を占う非常に重要な2連戦になるだろう。ここを乗り切れば他会場の結果次第でJ1の望みを広げることができるはずだ。
新潟も次の長崎戦では結果・内容どちらも求められる1戦になるだろう。ここで勢いをさらにつけて残り試合を勝ちきりたい。またラスト2試合のFC琉球(8位)町田ゼルビア(6位)との戦いも一筋縄ではいかない相手になるため警戒が必要である。
前節に琉球との上位対決を制した甲府は、第35節の長崎戦を終えれば、残り試合は中位以下のチームとの対戦が続く。他と比べれば比較的戦いやすい対戦スケジュールである。しかし課題はアウェイ戦。ホーム戦での勝率は64.7%とリーグトップクラスであるものの、アウェイ戦では37.5%と勝ち点を取り切れない課題がつきまとっている。上位対決を終えたとはいえ安心することはできない。
泣いても笑っても残り10試合。一体最後にはどのような結末が待ち受けているのだろうか。
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