セリエA ミラン

新生ミランの今後を占う4つのポイント。行く末は天国?地獄?

写真提供: Gettyimages

著者:菊池大将

今月9日にステファノ・ピオリ新監督の就任を発表したミラン。新体制の初陣となったセリエA第8節のレッチェ戦は2-2の引き分けに終わった。しかし、攻撃面を中心にポジティブな要素が多かったこともあり、就任前に散々な言われようをしたピオリ監督は、一定以上の評価を得ることになった。

レッチェ戦で新たな可能性を示すことができたミラン。彼らの行く末は天国なのだろうか。それとも地獄だろうか。今回は、新生ミランの今後を占う4つのポイントをご紹介する。


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新たなシステム

ピオリ監督はレッチェ戦で、珍しい選手の配置を採用した。中盤を四角形で形成した3-4-3だ。最終ラインの(右から)アンドレア・コンティ、ダビデ・ムサッキオ、アレッシオ・ロマニョーリから攻撃を開始し、1列前のルーカス・ビリアとフランク・ケシエがそれをサポート。さらに1列前のルーカス・パケタとハカン・チャルハノールが創造性を与えながら攻撃を組み立て、エリア内に侵入していく。最前線にはスソ、ラファエル・レオン(クシシュトフ・ピョンテク)、さらにはサイドバックのテオ・エルナンデスまでもが前線右サイドに顔を出す形だ。

この戦い方は、守備時に選手に対して大きな負担を与える一方で、攻撃面ではそれぞれの特性を最大限に発揮できる形となった。結果として、2失点は喫したものの、今シーズンのベストパフォーマンスになったと言って良いだろうだろう。

問題は、次節のローマ戦から。昇格組のレッチェ相手にガス欠を起こしていたミラン。この点を解決しなければ、行き先は地獄になってしまう。このシステムでの練度を上げながら、守備面の問題を解決していくことが求められる。相手が対策してきた場合の問題もあるが、それは1つ先のお話しだ。


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今後の日程

ピオリ監督の下、息を吹き返しているかに見えるミランだが、正念場はここからだ。次節(日本時間28日)のローマ戦から、11月24日までの間にローマ、ラツィオ、ユベントス、ナポリとの試合をこなさなければいけない。

見立てとしては、ケガ人が続出しているローマにミランの新たな戦い方への対策を用意する余裕はないだろう。問題は残りの3試合だ。好調チーロ・インモービレ擁するラツィオには、手厳しいカウンターを食らう可能性が高い。シモーネ・インザーギ監督は用意周到な人物だ。

ユベントス、ナポリに関しては新たな戦い方で挑んだとしても正面からねじ伏せられる可能性が極めて高い。特にアウェイのユベントス戦では、相当な工夫をしなければ勝ち点を持ち帰ることはできないだろう。

この4試合を2勝2敗以上の戦績で終えることができれば、天国への扉に近づくことができるはずだ。


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名前:菊池大将
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