高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2024のEAST第18節が10月12日~14日に各会場で行われ、10月13日に千葉県の市立船橋高校(市船)と流通経済大学付属柏高校(流経大柏)が船橋市法典公園球技場(グラスポ)で対戦した。
市船といえば、川崎フロンターレの鬼木達監督やデンマーク1部のブレンビーIFで活躍するFW鈴木唯人、元柏レイソルのFW北嶋秀朗氏といった名だたる選手を輩出してきた名門校。J2の清水エスパルスにも今年卒業したばかりのFW郡司璃来が所属している。今春に行われた全国高校サッカー選手権大会ではベスト4に輝いており、昨年度の高円宮杯プレミアリーグでも5位の実績を持っている。しかし、今季の同リーグでは開幕から不振にあえいでおり、現時点で12チーム中11位と逆の意味でサプライズを起こしてしまっている。
開幕節で青森山田高校に0-2と敗れ、そこから第11節まで未勝利。前半11試合で3得点25失点と得点力不足に加えて守備陣の崩壊が目立っていた市船は、後半戦に入り変化を遂げた。開幕節で敗れた青森山田高校とアウェイで対戦した第12節は、1-0で今季同リーグ初勝利。第13節では鹿島アントラーズユースに1-2と敗れたものの、その後は第17節までの4試合を2勝2分で終え、勝ち点14、得失点-17と残留圏内(10位以上)のチームを猛追している。
第18節で現7位の流経大柏(勝ち点26、得失点-2)をホームに迎えた市船。試合は開始早々に動いた。市船GKギマラエス・ニコラスが蹴った自陣ゴール付近でのフリーキックをDF鶴岡寿咲が空中戦で相手に競り勝つと、ボールを受けたFW伊丹俊元がボレーで前線のFW仲野真翔へパス。仲野が相手DF3枚に囲まれながらフィニッシュに持ち込むもブロックされる。しかし、こぼれ球を拾ったFW久保原心優が相手GKとの1対1を冷静に沈めて市船が1-0と先制に成功する。その後は互いに攻め合う展開となったが、守備ではニコラスの好セーブや好判断が随所に光り、市船リードのまま前半を折り返した。
後半に入るとアクロバティックなプレーで市船が決定機を迎える。開始早々、市船から見て右サイドからのフリーキックをMF渡部翔太がファーサイドに蹴りこむと、それを味方が落としFW伊丹がバイシクルシュートを放つ。しかし流経大柏GK松本陸の好セーブが追加点を許さない。その後、流経大柏の波状攻撃が長く続いたが、市船の体を張った守備も最後まで光り1-0で試合終了。部員全員で勝利のラインダンスを行いピッチに歌声が響き渡った。
これにより勝ち点を17まで伸ばした市船は、順位こそ11位と変わらなかったが残留圏ギリギリに位置するFC東京U-18(現10位)との勝ち点差を3まで縮め残留争いに希望の光が見えている。10月20日に行われる次節では、現9位の尚志高校(勝ち点20、得失点-2)と残留をかけたいわゆる“6ポイントゲーム”を戦う。今季大乱調の名門市船が、どこまで順位を上げられるか注目だ。
第18節終了時点の暫定順位
1位:横浜FCユース(神奈川)勝ち点35、得失点差+9
2位:鹿島アントラーズユース(茨城)勝ち点32、得失点差+6
3位:柏レイソルU-18(千葉)勝ち点29、得失点差+8
4位:昌平高校(埼玉)勝ち点29、得失点差+6
5位:青森山田高校(青森)勝ち点28、得失点差+4
6位:前橋育英高校(群馬)勝ち点26、得失点差+4
7位:流通経済大学付属柏高校(千葉)勝ち点26、得失点差-2
8位:川崎フロンターレU-18(神奈川)勝ち点25、得失点差+4
9位:尚志高校(福島)勝ち点20、得失点差-2
10位:FC東京U-18(東京)勝ち点20、得失点差-3
11位:市立船橋高校(千葉)勝ち点17、得失点差-16
12位:大宮アルディージャU18(埼玉)勝ち点10、得失点差-18
※前橋育英高校、川崎フロンターレU-18、FC東京U-18、大宮アルディージャU18は各1試合未消化
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