Jリーグ 松本山雅

田中隼磨が松本山雅を提訴「納得できません」誹謗中傷ストップ呼びかけも

田中隼磨氏 写真:Getty Images

 松本山雅FCのOBである田中隼磨氏は、昨年12月に同クラブのエグゼクティブアドバイザーを辞任。今年4月に辞任理由を公表しているが、松田直樹氏の命日である今月4日までにクラブを提訴したことを明らかにしている。

 田中氏は横浜F・マリノス、名古屋グランパスを経て、2014シーズンから9年間にわたり松本でプレー。横浜FM時代のチームメイトである松田氏の背番号「3」を受け継ぎ、2度のJ1昇格に貢献。引退後もエグゼクティブアドバイザーとして松本に関わり続けたが、昨年12月に同職を辞任していた。

 同氏は今年4月8日、Xで辞任理由を説明。「本当のことをSNSで話すべきか非常に悩みましたが、きちんと説明することが皆様に対しての誠意、そして今後の山雅がより良い方向に進んで欲しいという希望を持ち、今回皆さまに対し説明することを決意しました」として、以下のように綴っていた。

 「2023年12月23日に行われたサポーターミーティングで、私がクラブを辞めた経緯についてクラブ側が説明を行いました。内容は『コーチが試合後、サポーターに対して失礼なことを言ったことに対し、ダメなものはダメという認識はクラブも田中氏も同じだった。そのコーチに対して11月に厳重注意をした』と言うものです。しかし、この説明は私がクラブから聞いたこと、話したこととは全く違います」

 「私はクラブに対し、何度も訂正をお願いしてきましたが、クラブは訂正に応じてくれませんでした。私は、問題になったコーチの発言はファン、サポーターに対してのものでありダメな暴言である、間違っていると感じ、12月7日クラブと話し合いの場を持ちました。その時のクラブの回答は、『問題の発言はファン、サポーターに対してのものではない、中に向けて発したことだから、逆にどう処分したら良いか教えてよ。処分なんてできない』というものでした」

 「私は『クラブとしてきちんとした処分をしないとその人の為にもならない、クラブの為にもならないのでしっかり教育をして欲しい』と何度も繰り返し伝えました。状況は違いますが、以前山雅のアカデミー選手がアカデミーコーチに対し、今回厳重注意を受けたトップチームのコーチと同じ発言をした際、クラブはそのアカデミー選手に対し、厳重注意ではなく退会勧告を言い渡しました」

 「トップチームのコーチには厳重注意に留まり、未来あるアカデミー選手には退会勧告という現状に憤りを感じてなりません。人によって処分を変えてしまえば、整合性がなくなり、クラブの規律も乱れてしまうということもずっと伝えてきました。私はこのコーチを辞めさせて欲しいとは一切言っておりません。そのコーチのため、クラブの為にもきちんとした処分をしたほうが良いということを伝えました」

 「しかし、クラブは動いてくれなかった為、私はクラブを辞める決意をしました。辞めた理由は他にもまだありますが、このことが辞めるきっかけになった理由、経緯です。ところが、突然サポーターミーティングにおいて『コーチがファン、サポーターに向けて失礼なことを言った、11月に厳重注意処分をしていた、ダメなものはダメをいう認識はクラブも彼も同じだった……』など全く違う説明がされていて大変驚きました。ダメなものはダメと言ったのは私で、クラブではありません」

 この投稿によりクラブの対応が問題視される中、田中氏は4日午前に再びXを更新。「平素から多大なご支援、ご声援を賜り厚く御礼申し上げます。さて、私、田中隼磨は、昨年開催されました2023松本山雅FCサポーターミーティングでの松本山雅FCの発言について、当時のクラブの代表取締役社長およびクラブを提訴することにしました。これまでの経緯、何が本当のことなのか、訴訟の中で明らかにしていきたいと思います」と、ファン・サポーターに報告。

 「今日8月4日は、マツさんの命日です。私は、マツさんから、まっすぐ生きていくことを学びました。マツさんの3番をサポーターの皆様と共に背負い、正々堂々とピッチ内外で示してきました。マツさんがプレーしたアルウィンのピッチで、松本山雅FCの指導者からサポーターに対して命を軽んじるような発言があったこと、その指導者に対する松本山雅FCの対応について、私は納得ができません」

 「マツさんに恥じないよう、自分の信じる道をまっすぐ進んでいき、松本山雅FCが少しでも良いクラブになるように言動していきたいと思います。なお、指導者の暴言の件に関しては本人が謝罪をしていますので、指導者に対しての誹謗中傷はやめていただけるようにお願い致します」と、クラブへの不満をあらわにしている。