ラ・リーガ レアル・ベティス

Dr.TRIBE【試合診断書】 ラ・リーガ第7節 レアル・ベティス対レガネス

大会:ラ・リーガ
カード:レアル・ベティスvsレガネス
スコア:1-0
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)マルク・バルトラ

この試合では3CBの左側で先発。冷静なボール扱いと判断で、相手をいなしながら攻撃の開始点に。カバーリング能力の高さはチーム1で、相手の攻撃の芽をことごとく摘み獲りながら、攻めてはボールを運んで相手の守備をずらした。

ザ・ハード・ワーカー(THW):ジオバニ・ロ・チェルソ

カナレスとともにCMで先発。より深い位置からビルドアップに参加して攻撃にリズムを与えた。また個人技で相手をはがし、セーフティバルブとして常に味方にパスコースを提供した。彼のキープ力のおかげで守備に安定感が増した部分もあった。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):セルヒオ・レオン

この試合でワントップを務めたレオンだったが精彩を欠いた。コンパクトなブロックを敷いてきたレガネスだったが、決してスペースがなかったわけではない。彼が得意のDFラインの裏へのランニングをもっと見せていれば、試合はもう少し違ったものになっていただろう。


ベティスの攻撃vsレガネスの守備

ベティス:3バックの左に5番のバルトラが入ったことで、そこからボールを運んで組み立てることが多かった。完全に押し込んでいたため、両WBは高い位置をキープして幅をもたらし、細かいパスでサイドを変えながら相手のブロックにズレを作ろうとした。

サイドでCB、WB、CM、シャドーの4人でひし形を作って崩す。ただし、DFラインの裏を狙う選手がほとんどおらず、深さができなかったために相手のDFと中盤の2ライン間にスペースが生まれなかった。

レガネス:5-4-1のコンパクトなブロックを自陣に敷いて、DFラインは下げ過ぎずに縦の距離を保って2ライン間のスペース消す。

SMFの両選手は、ハーフスペースに立ち、ベティスの両脇のCBとシャドーの選手との間に立ってパスコースを消しながら、WBにボールが出たら、サイドバックのサポートに下がる。この試合では2,3回前から人を埋めてボールを奪いに行く場面も。


レガネスの攻撃vsベティスの守備

レガネス:試合の12%しかボールを保持していなかったため、ほとんど攻める場面はなかった。その中で形として狙っていたのは、まずは26番のエン=ネシリにボールを入れて、後ろからSMFがサポートに入る。

6番のグンバウや21番のペレスのミドルシュートも攻め手のひとつで、基本的には試合を通してロングカウンターを狙っていた。

ベティス:前から人を埋めてプレスをかける。ボールを奪われた後のネガティブトランジションで、相手のボールホルダーに近くの選手がまずアプローチして、この試合ではそこでボールを奪い切ることができていたため、守備らしい守備隊形に移行することはまれだった。

常にエン=ネシリ対3バックといった形が多かったため、ロングボールを入れられてもピンチになる場面が少なく、唯一のピンチは前からプレスをかけられて、自陣エリア近くでボールを奪われた時くらいだろう。


ベティス監督:キケ・セティエン

昨シーズン6試合連続無失点で勝利を重ねた時期と同じような試合内容でこの日も勝利。まずはボールを保持して相手を敵陣にくぎ付けにし、できるだけ自陣ゴールから遠ざけることに重きを置いているセティエン監督。チームの中心選手であるグアルダードを休ませても、バランスを崩すことなく勝ち点3をゲットした。

ファイナルサードでの精度を上げる必要はまだあるものの、失点の少なさはチームに安定感をもたらしており、どんな形にせよ勝利をつかんでいることで確実にいい流れを引き寄せている。


レガネス監督:マウリシオ・ペジェグリーノ

最後の最後で全体が間延びしたところを突かれて失点。それまで狙い通りに試合を進められていただけに悔やまれる敗戦になった。規律のあるチームで前節にはバルセロナを破っていたがいい流れに乗ることは出来なかった。

限られたタレントの中で、全員が自分の仕事をきっちりこなせているので、あとはどのように得点を獲るのか、その部分をチームとして取り組んでいく必要があるだろう。


主審:サンチェス・マルティネス

マルティネス主審の問題ではないのだが、一方の副審があまりにも不可解なオフサイドの判定を3度も披露した。2度はプレーが3秒以上は進んだ後に旗を上げ、1度は全くオフサイドではない場面で旗をあげた。リーグとして調査するべきレベルのレフェリングであり、全く受け入れられない。

マルティネス主審自身は特にミスジャッジもなく判断の基準も明確で、的確なレフェリングを90分間し続けた。