レアル・ベティス ヨーロッパリーグ

Dr.TRIBE【試合診断書】 ELグループステージ オリンピアコス対レアル・ベティス

大会:UEFAヨーロッパリーグ
カード:オリンピアコスvsレアル・ベティス
スコア:0-0
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):マディ・カマラ

オリンピアコスの中盤で、防戦一方ながら守備ではフィジカルの強さを活かして、ボール奪取から数少ない攻撃機会をチームにもたらした。積極的にシュートも放ち、前半にはスルーパスでチャンスを演出した。

ザ・ハード・ワーカー(THW):アンドレス・グアルダード

アンカー気味のポジションで先発し、チームの攻撃を組み立てながら、ボールポゼッションに安定感をもたらした。セーフティバルブとして、常にボールホルダーに逃げのパスコースを提供し、ボールを奪われた後のカウンターの対応も怠らなかった。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):セルヒオ・レオン&ロレン・モロン

数々のチャンスを無下にしたベティスの2トップ。判断が悪く、すべてがネガティブな方向に向いてしまった。相手4バックを2人でピン止めすることには成功したものの、そこから先の工夫が貧しく、チームの役に立つことはなかった。


オリンピアコスの攻撃vsベティスの守備

オリンピアコス:この日はほとんど攻撃をしかける機会がなかったが、SMFの2人を中心にドリブル突破や、18番のコカの周りを衛星のように動く7番のフォルトゥニスが、相手ディフェンスラインの裏を狙いそこに縦パスを入れる形が見られた。

4番のマディは下がってビルドアップに参加することも、高めの位置をとってスルーパスや、自らフィニッシュにも絡める選手。彼が前向きでボールを持った時に、周りの選手が動き出して攻撃のスイッチが入る。

ベティス:高い位置からプレスをかけてボールを奪いに行ったベティスは、4-2-3-1のオーガナイズだった相手に対して3-1-4-2を採用し、人を埋める守備を選択。

両IHの21番のロ・チェルソと17番のホアキンが、それぞれ5番のブーハラキスと4番のマディに対してある程度マンツーマン気味でついていき、彼らへのパスを遮断した。


ベティスの攻撃vsオリンピアコスの守備

ベティス:相手が守備時は4-4-2を敷いてきたことに合わせて、攻撃時は3-1-4-2のオーガナイズで、3CBvs2トップ、3MFvs2MFの数的優位を作り、そこで攻撃を組み立てて敵陣に押し込んだ。2トップは相手のDFライン上に常に立って4バックをピン止め。

オリンピアコスが6番のナトホを投入したタイミングで4-1-4-1にシフト。その影響で後半開始早々はプレスをかけられやすくなって前進できない場面も。しかし、すぐさま中盤の形を逆三角形に変更して反対に相手のアンカーの脇のスペースを突いた。その後さらに相手が4-2-3-1の守備に変更してきて再び中盤がかみ合う形になったが、退場の影響で数的優位に。

左右にボールを散らして相手を横に間延びさせる意図は感じさせたが、ボール運びのテンポが変わるタイミングがなく、常に一定のリズムだった。

オリンピアコス:序盤は4-4-2のブロックを形成したが、中央で数的優位を作られて歯が立たず。イエローカードを受けていたこともあり、35分にブーハラキスを下げてナトホを投入。ここでオーガナイズを4-1-4-1に変更して数的同数を作るとともに、かみ合わせもよくした。

相手の変化に柔軟に対応し、中盤の形を複数回変えたが、退場でひとり少ない状況に。ワントップのコカに18番のグアルダードをマークさせて、パスの出どころは最低限抑える策をとった。最後まで全選手が横へのスライドを怠らずに行い、1対1のシーンを作られることはほぼ皆無だった。


オリンピアコス監督:ペドロ・マーティンズ

状況が悪いとみるや対抗策をすぐにたて、前半残り10分というところでも迷わず選手交代に踏み切る胆力を感じさせた。しかし、元々ドローでOKというゲームプランであったかどうかは分からないが、少しベティスをリスペクトしすぎた面もあったかもしれない。

それでも効率的で現実的な采配を揮い、チームに勝ち点をもたらしたことは評価に値する。ゴールチャンスを創り出せなかったわけではなく、満員のスタジアムから試合後にブーイングがなかったことも、今日の試合と監督の采配に対するファンの心境を表していると言っていいだろう。


ベティス監督:キケ・セティエン

なかなか得点の獲れない、フラストレーションの溜まる試合となった。序盤のゲームプランはほぼ100点満点で、完全に試合の主導権を握ってゴールに迫ることができた。つまり彼の責任ではなく、単純に選手個人レベルの判断ミスが多すぎたことが、この結果の原因だ。

週末にはリーグ戦が控えており、選手交代を70分過ぎまで行わなかったことを考えると、ベンチで試合開始を迎えた選手たちがリーグ戦で先発することになるのだろう。怪我明けでコンディションが上がってこない選手の状態を見ることができ、ミスは少なからずあったものの敵地で無失点で試合を終えたことは、監督にとっては決して悪い結果ではないはずだ。


主審:ダニエル・ステファンスキー

ベティスが終始ボールを握って、試合のテンポがそれほど早くなかったこともあり、難しいジャッジを強いられることは少なかった。後半にカナレスのハンドにも見えるシーンがあったものの、それ以外では安定したレフェリングで笛を吹きすぎることもなかった。2枚目のイエローカードにより、ツィミカスにレッドカードを提示した場面も正しい判定だった。