Jリーグ ベガルタ仙台

「日常がそのまま出た」ベガルタ仙台・安野匠の退場が突きつけた、19歳の”人間性”問題

森山佳郎監督 写真:アフロスポーツ

 ベガルタ仙台は4日にホームで開催されたJ2・J3百年構想リーグ第9節で、ザスパ群馬にPK戦の末に勝利。19歳のFW安野匠の退場劇が波紋を呼んでいるが、森山佳郎監督も同選手の振る舞いに怒りをあらわにしている。

 開幕9連勝。数字だけ見れば、文句のつけようがない。だが、勝利の余韻よりも重く漂うのは、指揮官の怒気だった。試合後、インターネット動画配信サービス『DAZN』のインタビューで森山監督が口にした言葉は、単なる叱責ではなかった。「技術」でも「判断」でもなく、「日常」という単語を使ったことに、問題の根深さが滲み出ている。

 「あまりにも軽率な、若い選手ということでは済まされないような、本当に軽率な選手の軽はずみなプレーというか、態度のおかげで、普段からああいう課題がある選手なので、もう本当に日常がそのまま出たなというところ。本当にみんなに迷惑をかけて、ちょっと足を痛めた選手も出ましたし、実際に勝点も失いました。本当に許されない軽率なプレーから、試合がぶち壊れたなと思います」

 注目すべきは「普段からああいう課題がある選手」という部分だ。これは「ミスをした」という話ではない。クラブが把握している、継続的な「人間性の問題」として監督が公の場で言及したに等しい。指揮官が選手の「日常」を試合後インタビューで俎上に載せるケースは異例であり、その言葉の重さは軽視できない。

 事の発端は73分。2-1とリードした状況で、69分に途中出場したばかりの安野がファウル後にボールを蹴り飛ばしイエローカードを受け、さらに主審への異議ジェスチャーで即座に2枚目。公式記録には「反スポーツ的行為」「遅延行為」と刻まれた。わずか4分間のプレーで招いた数的不利。勝ち点3の獲得に近づいていた試合は一変し、90分に同点弾を浴びた。

 PK戦は8-7という綱渡りの決着。「残った選手は身体を張って、必死に頑張ってくれましたし、PK戦は相変わらず林のおかげ」と、森山監督は10人で戦い続けた選手たちを称えたが、その言葉の裏には皮肉が滲む。仲間の必死の奮闘を、たった4分で台無しにしかけた選手がいた、という事実だ。

 「それよりも今日は1ポイントを失ったことのデカさというか、ちょっと許しがたいところでした」

 首位争いの文脈で考えれば、この「1ポイント」の重みはさらに増す。「後ろが迫ってきている」と森山監督自身が口にしているように、EAST-Aグループ首位をキープしているとはいえ、追走するクラブとの差は盤石とは言えない。自ら招いた勝点の取りこぼしが、シーズン終盤に致命傷となるシナリオは、決して絵空事ではない。

 最低1試合の出場停止は免れない安野。このままでは公式戦で起用されないことは確実。森山監督に対して、「普段からある課題」の解消をアピールすることが先決だ。