海外日本人選手 Jリーグ

堂安律・中村敬斗ら該当。日本代表OBが「良い」と思う海外移籍の方法は?

堂安律 写真:Getty Images

 日本代表DF関根大輝が柏レイソルからスタッド・ランスへ完全移籍するなど、2024シーズン終了後も日本人選手の海外挑戦が相次いだ。この海外挑戦を巡っては、移籍金の安さが以前から問題視されているが、元日本代表DF吉田麻也(ロサンゼルス・ギャラクシー)がJリーグからオランダ1部リーグへの移籍について私見を述べている。

 韓国メディア『フェアポイント・フットボール』の公式YouTubeチャンネルで3月14日に公開されたインタビューでは、吉田が韓国人ジャーナリストと対談。話題が日本人選手の海外移籍に及ぶと、同選手は「Jリーグクラブは次のステップを考える必要がある。例えば、移籍金を安く設定して選手を売却する代わりに、次の移籍の際にパーセンテージを確保する。そのようなビジネスの仕組みを作ることも可能だ」と述べている。

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 また、吉田はJ1リーグとオランダ1部リーグの比較で「実力的にかなり近いレベル」「アヤックスやフェイエノールトといったビッグクラブを除けば、中位のクラブはJリーグとほぼ同じレベル」と私見を述べつつも、「サッカーは単純に数字で計算できるものではない。『この選手はオランダでプレーできる』と単純に言えるものではない。メンタリティや適応力、ピッチ内外での環境、言語、ライフスタイル、食文化など、すべてが密接に関わってくる」と、外的要因が選手に与える影響を指摘。

 こうした要素をもとに、「Jリーグクラブがオランダ国内クラブへ買い取りオプション付きの期限付き移籍で選手を送ることは、良いビジネスだ。もし選手がオランダで活躍すれば、オランダのクラブは喜んで移籍金を支払う。もし成功できなかった場合でも、Jリーグに戻ってプレーすることができる。チームのクオリティーを一定に保つことができる保証がある」と持論を展開している。

 現在の日本代表選手では、MF堂安律、DF菅原由勢、MF中村敬斗らが、かつてJクラブからオランダ1部クラブへ、買い取りオプション付きの期限付き移籍により加入していた。

 堂安は2017年6月、ガンバ大阪からフローニンゲンへ期限付き移籍すると、海外挑戦1年目からリーグ戦で9ゴールをマーク。2018年4月に完全移籍へ移行している。菅原は2019年6月に名古屋グランパスからAZアルクマールへ期限付き移籍。2020年2月に買い取りオプションが行使されると、海外挑戦2年目以降は主力選手として活躍した。一方、中村は2019年7月にG大阪からFCトゥウェンテへ期限付き移籍も、新型コロナ感染拡大の影響もあり、1シーズンでトゥウェンテを退団。オランダでは結果を残せなかったものの、オーストリア1部LASKリンツでブレイクし、今やMF伊東純也とともにスタッド・ランスに必要不可欠な戦力となっている。

 「(Jリーグクラブは)日本人選手が欧州へ移籍する流れを管理すべきだと思う。そうしないと、選手はただ日本で契約満了を待つだけになり、クラブはどんどん選手を失う。誰もそのような状況は望んでいない」と、海外クラブへのフリー流出に警鐘を鳴らした吉田。現在、日本プロサッカー選手会会長を務めているだけに、日本サッカー界発展のためを目的としたJリーグクラブへの働きかけが期待される。