Jリーグ 北海道コンサドーレ札幌

Jリーグシーズン移行、コンサドーレ札幌に与える影響とは?

北海道コンサドーレ札幌 写真:Getty Images

 Jリーグが従来の春秋制から欧州主要リーグと同じ秋春制へと2026/27シーズンから移行することで、リーグ全体の国際競争力向上が期待されている。一方、J2の北海道コンサドーレ札幌のような寒冷地クラブにとっては、厳冬期の試合開催や練習環境の確保が課題となることが度々報道等を通じて伝えられている。

 新スケジュールでは2026年8月1週頃に開幕し、12月中旬から2月中旬にかけてウインターブレークを設けることが決まっている。 これにより、真冬の1月には試合が行われないものの、11月から12月中旬、および2月下旬から3月にかけての厳冬期には公式戦を戦う必要がある。

 北海道の冬は氷点下の気温が続き積雪量も多いため、屋外でのトレーニングが難しい。これまでも札幌はプレシーズンキャンプを沖縄や熊本など温暖な地域で実施してきたが、シーズン中の冬場に長期的な遠征を強いられれば、財政面やコンディション管理への影響は避けられない。

 クラブ側はJリーグに対し、屋内練習施設の建設支援を求めているが、3月12日時点で公開されている札幌の石水創社長の発言によれば「Jリーグからの補助金の話は正式には下りてきていない」とのこと。今後の交渉次第だが、設備整備が進まなければ、シーズン移行が大きなハンデとなる可能性は高い。

 一方、シーズン移行のメリットもある。Jリーグのプレシーズンキャンプは、これまで1~2月に行われていたが、今後は6~7月に変更される。北海道の夏は涼しく、トレーニング環境として適しているため、Jクラブのキャンプ地として注目される可能性があるだろう。

 また、欧州クラブのプレシーズンマッチの開催にも期待がかかる。これまでプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドやラ・リーガのバルセロナといったビッグクラブが来日しても、試合は東京や大阪など都市部に集中していた。しかし、Jクラブが北海道をキャンプ地の選択肢とする流れが生まれれば、道内でのプレシーズンマッチ開催も可能性が出てくる。

 サポーターにとっても変化は大きい。開幕戦やシーズン終盤の試合が厳寒期に行われることで、観戦環境の整備が急務となる。札幌ドームの使用頻度が増える可能性もあるが、経費の問題も無視できない。さらに、ウインターブレーク明けの2月下旬から再開される試合で、寒冷地での試合開催が増えれば、極寒の中での試合が増えることになる。

 Jリーグのシーズン移行は、札幌にとってチャンスとリスクの両面を持つ。練習環境や試合開催の課題を克服しつつ、キャンプ誘致や地域活性化の機会をどう活かすかが、今後のクラブの成長を左右することになるのかもしれない。