アジア AFCチャンピオンズリーグ

中国勢のACL“2軍派遣”に国内からも批判噴出!「過激な若手育成。小学生が大学生を…」

山東泰山の選手たち 写真:Getty Images

 今季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区グループステージでは、中国勢が開幕から2試合で大量失点を喫して敗れたことが注目されている。若手主体のメンバーで今大会に臨んだ中国クラブに対しては、中国国外のみならず国内からも批判の声が上がっているようだ。21日、中国メディア『捜狐』が報じている。

 中国スーパーリーグでは山東泰山、上海海港、広州FC、長春亜泰の4クラブが今季のACL出場権を獲得。しかし、長春亜泰は財政難の影響もあり先月1日にACLプレーオフ出場辞退が正式決定。くわえて上海海港は中国政府の「ゼロコロナ政策」により上海市内がロックダウンとなったことから、タイ遠征が不可能に。今月11日になって上海海港の参加辞退が公式発表されている。

 そして広州FCと山東泰山はACLグループステージに参戦しているものの、ほぼ全員が10代後半から20代前半と若手主体のメンバー構成に。中国メディア『新浪体育』は中国行政による新型コロナウイルス感染拡大対策の強化や国内リーグ戦との両立、遠征費負担などをふまえて主力選手をタイ遠征メンバーから外したと報じていた。

 すると広州FCはグループステージ開幕戦でジョホール・ダルル・タクジムFC(マレーシア1部)相手に0-5と敗れ、第2節・川崎フロンターレ戦でも0-8と大敗を喫している。また、山東泰山も初戦で大邱FC(韓国1部)相手に0-7で敗れ、第2節・浦和レッズ戦でも0-5と惨敗。中国勢は4試合で合計スコア0-25と他クラブに地力の差を見せつけられている。

 中国メディア『荊楚網』はACL開幕前にアジアサッカー連盟(AFC)の関係者が「ACLへの参加が本当に難しいのであれば、中国クラブは長春亜泰のように率先して棄権し、他のクラブと入れ替わるべきだ」と語っていたと報じていた。

 これにくわえて『捜狐』は中国国内のスポーツコメンテーターの意見を紹介。これによると、中国人のスポーツコメンテーターは国内のニュース番組で「ACLグループステージの最初の2試合で、小学生が大学生を倒すという冗談のような光景が本当に推し量られた。ユースチームで参加することが若手選手育成とイコールだという論調は大きな間違いだ」と中国クラブの対応を厳しく非難。

 若手選手の育成方法について「確かにサッカーには才能が必要だが、才能の育成はそれほど過激であってはならない。若手選手の育成で最も大切なのは、徐々に進歩するなんだ」と語っていたという。

 一方で中国政府は現在「ゼロコロナ政策」を推し進め、入国者に対して厳しい隔離措置を講じている。東南アジアで集中開催されているACLグループステージに若手選手を派遣した中国クラブは、「ゼロコロナ政策」の犠牲者となっている。