ディエゴ・シメオネ監督の下、レアル・マドリード、バルセロナと並ぶスペインのビッグクラブへと成長を果たしたアトレティコ・マドリード。過去10年間で多くの成功を収めてきたクラブだ。
そんなアトレティコだが、マドリードやバルセロナほどの世界的なブランドがあるわけではなく、経済規模でも太刀打ちすることは難しい。しかし、彼らは自家製の優秀な選手たちを育てることで、トップレベルの競争力を手にしている。
今回は、アトレティコ・マドリードの下部組織が生んだ5人の最高傑作をご紹介する。
ガビ
2004年にアトレティコのトップチームに昇格したガビ。2007年にレアル・サラゴサへ移籍し、2011年に復帰すると、主力選手として2018年に退団するまで活躍を続けた。
類まれなリーダーシップ、シメオネ監督のアトレティコを象徴する高い献身性、試合を組み立てる高い能力。すべてをバランス良く兼ね備えたガビは、サポーターからも愛される選手として活躍。2013/2014シーズンには念願のラ・リーガ優勝を成し遂げた。
コケ
ガビの退団後、アトレティコで新たなリーダ―となったのがコケだ。8歳からアトレティコ一筋の同選手は、2009年にバルセロナ戦でトップチームデビューを果たした。
コケがまとまった出場機会を得始めたのが2012/2013シーズン。本職ではない右サイドを任されることも多かったが、3ゴール10アシストと結果を残した。
そんなコケは、現在のチームにとって最も欠かせない選手の1人となっている。今シーズンからはキャプテンマークを託されている。アトレティコらしい貢献度の高さと、スペイン人らしい技術の高さを兼ね備えたハイクオリティな選手だ。
ダビド・デ・ヘア
現在マンチェスター・ユナイテッドの守護神を務めるデ・ヘアは、2001年の10歳の時にアトレティコの下部組織に入団。2009年にトップチームデビューを果たした。
その後、先日バルセロナの監督に就任したキケ・サンチェス・フローレス監督に正GKとして抜擢される。2009/2010シーズンのデ・ヘアは、監督の期待にしっかりと応えた。翌シーズンも絶対的な守護神としリーグ戦全試合にフル出場を果たしている。
プレミアリーグでも輝きを放つデ・ヘアは、ユナイテッドにとっても欠かせない選手だ。同選手がチームを救った試合は数えきれない。
フェルナンド・トーレス
自身現役最後のシーズンをサガン鳥栖のストライカーとしてJリーグで過ごしたトーレス。同選手は2001年にアトレティコのトップチームに昇格を果たした。トーレスが名前を轟かせたのは2002/2003シーズン。当時18歳ながら29試合で13ゴールを記録し、注目を集めた。
その後、アトレティコで順調に活躍を続けたトーレス。2007年夏の移籍市場でリバプールへと移籍を果たす。プレミアリーグでも活躍を続けたトーレスは2007/2008、2008/2009シーズンにPFA年間ベストイレブンに選ばれている。
2011年のチェルシー移籍後以降から成績が悪化したことで、多少トーレスの評判に傷がついたかもしれない。しかし、同選手がアトレティコ下部組織の最高傑作であるという事実は揺るがないだろう。
ラウル・ゴンサレス
レアル・マドリードで数多くの記録を打ち出したラウル。マドリードのイメージが強い同選手だが、マドリード下部組織の前に、アトレティコの下部組織でプレーしていた。
ラウルの伝説的な活躍は語ればきりがない。クリスティアーノ・ロナウドに更新されるまではマドリードの最多得点記録保持者であり、欧州カップ戦における得点記録も保持していた。
国際大会や欧州5大リーグ以外でのものも含めると、ラウルが獲得した個人タイトル総数は25。アトレティコ下部組織が生んだ最高傑作と言って間違いないだろう。2つのマドリードが生んだ怪物だ。
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