プレミアリーグ

プレミアリーグ序盤戦通信簿!全20チームをランク分け評価

写真提供: Gettyimages

ランクB

ランクBはニューカッスルボーンマス、そしてウォルバーハンプトンの3チームである。

スティーブ・ブルースが監督に就任し懐疑的に見る人も多かったが、5バックでしっかり守り、アラン・サン=マクシマンとミゲル・アルミロンのサイドハーフを中心にダイナミックな攻撃を仕掛ける戦法で順調に勝ち点を積み上げている。ロングスタッフ兄弟のハードワークにも注目の目が注がれる。

ボーンマスもカラム・ウィルソン、ジョシュア・キングの攻撃陣を筆頭に戦える集団を作り上げている。デイヴィッド・ブルックスの負傷がボーンマスの懸念点だが、今シーズンローンで加入したハリー・ウィルソンの躍動もあり中位をキープに貢献している。毎シーズン問題点として挙げられている失点数の多さは今までのところ目立っていない。

ウォルバーハンプトンは、リーグ戦・ヨーロッパカップの両輪を回す非常にタフなシーズンではあるものの、しっかりと踏ん張っている印象。昨シーズンのバーンリーとは状況は異なるようだ。今シーズンから加入した、パトリック・クトローネ、ペドロ・ネトがまだチームにフィットできていないと感じる箇所が散見されるため、彼らの順応がチームを向上させる一手になると見ている。


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ランクC

ランクCはマンチェスター・ユナイテッドトッテナムウェストハムアストン・ビラノリッチの5チームだ。

マンチェスター・ユナイテッドは強さを発揮できる試合と鳴りを潜める試合が表裏一体となる現状がリーグテーブルの順位を表している。ダニエル・ジェームズのフレッシュさにアントニー・マルシャル、マーカス・ラッシュフォードが追いつけるかが今後のユナイテッドにとって重要であると考える。

トッテナムも状況は良くはない。昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝進出で味をしめたか、今シーズンは燃え尽き症候群に陥っているようにも感じられる。戦力としては十分上位を狙えるポテンシャルではあるので、早急にチームのモチベーションを改善していくべきだ。

戦力ではビッグ6と張り合える水準であるウェストハムも勝ちきれない状況にやきもきする方も多いはずだ。ウェストハムも毎シーズンスロースターターとして有名ではあるのだが、それを加味しても降格ラインに停滞しているのは断じて許されるものではない。セットプレーからの失点が目立つのでまずはそこを修正し、10月以降失点が続く状況を打破したい。

昇格に際し抜本的な人員整理を敢行したアストン・ビラも試合によって見せる姿を変えている。リバプール戦やマンチェスター・シティ戦のように勇敢に戦い抜くこともあればアーセナル戦のように些細なミスから一気に崩れてしまう一面もある。チームの決まりごとをいち早く浸透させ安定感を身に着けたい。

ノリッチもマンチェスター・シティに金星を上げて以降、7試合未勝利で気がつけばリーグ最下位。チーム戦力としてはかなりギャップがあることは明白なことではあるが、開幕した数試合で見せたように敵陣で狭いスペースでボールを展開しゴールに近づけて行きたい。


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ランクD

ランクDはエバートンアーセナルサウサンプトンワトフォードの4チームだ。

イドリッサ・ゲイェのPSG移籍からエバートンの低迷は始まっていたのかもしれない。彼の不在が攻守における泥臭さを欠き、組織的に脆いチームに変貌させてしまった。今シーズン新加入のジャン=フィリップ・グバミンの早期復帰がキーになりそうだ。また、1トップが定まらないのもエバートンにとっては悩みの種である。モイーズ・キーン、ジェンク・トスン、ドミニク・キャルバート=ルーウィンの3人の得点数を足しても4ゴール。3試合で1ゴールの生産性は危機的状況であることを示している。

アーセナルは12試合消化で6位とある意味いつも通りであるとも捉えられるが、今シーズンはこれ以上順位を上げる実力が伴っていないことを露わにしている。ここ数年大胆なチーム刷新を試みるも、昨シーズンは無補強のトッテナムより下の順位、今シーズンは監督として経験値の少ないフランク・ランパード率いるチェルシーにも圧倒的な差をつけられている。挙げ句の果てに内容の伴わない現状に不満をぶつけるファンも多く、クラブとして岐路に立たされている。

昨シーズンからラルフ・ハーゼンヒュットルがサウサンプトンの監督に就任し、ここからセインツは安泰だと思っていた矢先、毎シーズンと変わらない降格ラインを浮き沈みする結果になっている。特に守備に課題点が多く早急な改善が求められる。ヤニク・ヴェスターゴーアのような長身ディフェンダーにはプレミアリーグの水は合わないか。スピードが求められるイングランドスタイルに置き去りにされている。

昨シーズンはFAカップ決勝まで勝ち進み、今シーズンはさらなる上位進出を狙うと思われたワトフォードだが現状は18位と降格圏である。シーズン途中にハビ・グラシアを解任しキケ・サンチェス・フローレスを再び招集。ようやく12節のノリッチ戦で今シーズン初勝利を収めたものの、道半ばであることには変わりない。今シーズン補強したダニー・ウェルベックやチームの象徴とも言えるトロイ・ディーニーの離脱が苦しいか。

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名前:秕タクオ

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趣味:サッカー、UNO、100均巡り

サッカー観戦が日課のしがないサラリーマンです。かれこれ人生の半分以上はサッカー観戦に明け暮れ、週末にはキルケニー片手にプレミアリーグやJリーグにかじりついています。

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