
著者:チアゴ・ボンテンポ(翻訳者:マリオ・カワタ)
2位に勝ち点9差をつけてJ1の首位に立ちワールドカップによる中断期間を迎えるサンフレッチェ広島だが、セレッソ大阪に対するホームでの0-2の敗北は多くのサポーターにとって困惑を覚えるものだったかもしれない。広島は守備的なリアクションサッカーでほぼ無敵の強さを見せる一方、同じ戦い方をする相手に対しては苦戦している。
今季のサンフレッチェのボール支配率は一試合平均で45.1%、シュート数は10.2本となっているが、これまで2敗を喫したのはこれらの数字が最も高かった試合だった。1-3で敗れた第10節FC東京戦ではボール支配率56.3%とシュート20本、第15節のセレッソ戦ではボール支配率52.1%とシュート18本を記録している。言い換えれば広島は能動的に試合を動かすのが苦手であり、ボールを保持して多くのパスを交換するチーム相手にしか効率的にプレーできていない。城福浩監督は守備固めの名手だが、ユン・ジョンファン監督もまたリアクションサッカーのエキスパートであり、日曜日のエディオン・スタジアムの試合でもそれを証明した。
今季最多の観客(20219人)を集めた広島は、ほとんどの時間で試合をコントロールしていた。もしかしたら大観衆の前で、守備的なスタイルでプレーすることに抵抗があったのかもしれない。セレッソが試合序盤にオフサイドを巡る誤審で正当なゴールを取り消されたとはいえ(稲垣祥のポジションにより、山口蛍からボールを受けて杉本健勇にクロスを上げた松田陸はオフサイドではなかった)、前半戦は4回の好機を作り出した広島の一方的な展開だった。
同様のリズムで始まった後半、セレッソはまたしても背番号10を失うダメージを負った。足首の負傷から復帰したばかりの清武弘嗣だったが、左ふくらはぎの痛みによりピッチを去ることを余儀なくされ、代わりに高木俊幸が途中出場した。清武にとっては今季だけで3度目の負傷だ。サンフレッチェは更に前線のプレッシャーを強め、2回のチャンスを迎える。野上結貴のヘディングはポストを叩き、パトリックの同じく頭でのシュートはキム・ジンヒョンの素晴らしいセーブに防がれた。
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