
V・ファーレン長崎は、高木琢也監督のもと、明治安田J1百年構想リーグを全体17位という好成績で終えた。攻撃陣ではFWチアゴ・サンタナとMFマテウス・ジェズスが、それぞれ地域リーグラウンド(WEST)の得点ランキングの5位タイ(6得点)にランクインするなど、前線の攻撃力がJ1相手にも通用することを証明した。一方、総失点に目を向けると、地域リーグラウンド18試合で28失点と名古屋グランパスと並んでWESTでワーストタイの総失点数を記録しており、守備に課題を残した。
今オフには、守備のテコ入れを図るべく、CB(センターバック)にはOHルーヴェン(ベルギー)からDF大南拓磨が、ボランチには大分トリニータからMF保田堅心がそれぞれ加入。一方、主戦場のWB(ウイングバック)で数多くのチャンスメイクでチームに貢献していたFW笠柳翼がパトロ・アイスデン(ベルギー)へ期限付き移籍している。
当然、左WBで起用されるMF扇長聖やMF米田隼也、右WBで起用されるMF関口正大への依存が大きくなることが考えられることから、WBは補強ポイントだといえる。また、得点源のチアゴやマテウスが累積警告や負傷等で離脱した場合、攻撃に不安が残ることから、個で打開できる日本人FWも今夏に1枚補強しておきたいところ。
ここでは、長崎が今夏中に狙うべき4人の補強選手を、筆者独自の視点から紹介する(データは2026年8月20日時点に基づく)。

豊川雄太(RB大宮アルディージャ)
1人目は、RB大宮アルディージャのFW豊川雄太だ。
豊川は、サッカーの名門の大津高校(熊本県)から2013シーズンに鹿島アントラーズでプロキャリアをスタートさせる。プロ2年目の2014シーズンには、J1リーグ17試合2ゴール1アシストと頭角を現すと、その後にプレーしたファジアーノ岡山では、2016シーズンからの2シーズンでJ2リーグ73試合18ゴール4アシストをマークし、J2を代表するアタッカーとしてその名を轟かせた。
これらの活躍もあり、2017/18シーズン途中にベルギー1部のKASオイペンへ完全移籍を果たす。ベルギーでも勝負強さを発揮し、同シーズンのリーグ最終節でチームを降格から救うハットトリックを達成して英雄となった。その後は、セレッソ大阪や京都サンガなどでプレーし、J1の舞台で前線を牽引し続けた。
2025シーズンからは大宮への完全移籍を選択し、クラブの新たなJ2昇格プロジェクトにおける中心選手として迎えられた。同シーズンは背番号「10」を背負い、J2リーグ37試合7ゴールをマークし、豊富な経験と卓越した得点感覚でチームを力強く牽引した。
泥臭くゴールへ突き進む強いメンタリティが持ち味である豊川が長崎に加わることで、攻撃のオプションに幅を持たすことができるだろう。

藤尾翔太(町田ゼルビア)
2人目は、町田ゼルビアのFW藤尾翔太だ。
セレッソ大阪の育成組織出身から2020シーズンにトップチームへ昇格を果たすと、水戸ホーリーホックや徳島ヴォルティスへの期限付き移籍を経験し、前線でのキープ力と鋭いシュートを磨いた。2023シーズンには期限付き移籍で町田ゼルビアに加入すると、184cmの恵まれた体格を活かした前線での圧倒的なハードワークを武器にJ2リーグ33試合8ゴール2アシストをマークし、クラブ史上初のJ2優勝とJ1昇格に大きく貢献した。
この活躍が認められ、2024シーズンからは町田へ完全移籍として正式に加わった。J1の舞台でも物怖じしないプレースタイルでJ1リーグ31試合9ゴール1アシストをマークする大活躍を見せた。更に、同シーズンのU-23日本代表としてパリオリンピックに出場し、国際舞台を経験した。
2025シーズンはリーグ戦35試合に出場して3ゴール1アシストをマークしたほか、天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会では、5ゴールで得点王に輝き、大会MVPも受賞する偉業を成し遂げた。
直近の明治安田J1百年構想リーグでは途中出場での起用が増えていたが、開幕したばかりの2026/27シーズンも攻撃の核としてさらなる進化を続けている状況だ。
J1での実績が十分な藤尾が長崎に加入することで、一段と攻撃力に厚みが増すはずだ。
コメントランキング