Jリーグ

監督交代に踏み切った11クラブの解任ブースト度【Jリーグ2025】

辻田真輝監督 写真:Getty Images

J3リーグの監督交代

ツエーゲン金沢【ブースト度:★★★★☆】

ツエーゲン金沢は、6月1日に伊藤彰監督を解任し、同時に強化部長を務めていた地元出身の辻田真輝氏を新監督に指名した。

辻田監督就任後、いきなりリーグ戦と天皇杯2回戦で3連敗を喫したが、その後持ち直し、7月19日までのリーグ戦7試合で2勝2分け3敗(勝率29%)。第17節から第20節まで続いた負けなし記録は7月19日の第21節ヴァンラーレ八戸戦(金沢ゴーゴーカレースタジアム/0-1)で止まってしまったが、解任ブーストの効果が見られており、昇格プレーオフも伺っている。


石丸清隆監督 写真:Getty Images

FC岐阜【ブースト度:★☆☆☆☆】

未だわずか4勝で最下位に沈むFC岐阜は、7月2日に大島康明監督を解任し、7月4日に石丸清隆氏を新監督に任命した。接戦を落とす試合が目立ち、JFL降格の危機にある。

石丸監督就任初戦のヴァンラーレ八戸戦(7月12日プライフーズスタジアム)では1-5の大敗を喫し、最下位を脱せていないことで前途多難と言わざるを得ない。しかし、愛媛FC(2013-2014、2022-2025)、京都サンガ(2015-2016)、モンテディオ山形(2020-2021)と、豊富な指導者経験を持つ石丸監督の手腕が発揮できるのはこれからだろう。


奈良クラブ 写真:Getty Images

奈良クラブ【ブースト度:★★★★☆】

奈良クラブの場合はやや事情が特殊だ。中田一三前監督がチーム練習の中で選手に頭突きするという不適切行為により6月12日に解任され、富山の監督を解任されたばかりの小田切道治氏を新監督に招聘した。

小田切監督が正式就任就任した6月14日以降、7月12日までの5試合で3勝1分け1敗(勝率60%)。チームの雰囲気改善のみならず、順位も昇格プレーオフ圏内の6位にまで引き上げた。中田前監督末期はリーグ戦と天皇杯2回戦で3連敗を喫していたことから、チームの空気が変わったことで成績に直結した例として、ブースト効果があったと見るべきだろう。


カマタマーレ讃岐 サポーター 写真:Getty Images

カマタマーレ讃岐【ブースト度:★★★★☆】

降格がチラ付く18位のカマタマーレ讃岐は、7月8日に米山篤志監督を解任し、翌9日に、昨季までFC琉球の監督を務めていた金鍾成(キン・ジョンソン)氏を新監督に任命した。序盤戦は上位争いに加わっていたが、2度の3連敗が響き、残留争いに巻き込まれたことが解任の理由だ。

金監督就任初戦の栃木SC戦(7月12日Pikaraスタジアム)では4-1の圧勝を収め、連敗を止めた。7月19日の第21節高知ユナイテッド戦(Pikaraスタジアム/1-2)を落としたことで“ブースト”と呼ぶにはまだ早いが、約2か月ぶりの勝ち点3を得たことによって、勢いを取り戻す可能性を秘めている。


解任ブーストの総括

監督交代によるブースト効果は、クラブの目標やケガ人の状況によっても異なる。新監督の戦術浸透度や選手との相性、対戦相手との巡り合わせにも依る上、強化を担当するフロントの力も重要だ。

J2の長崎や山形、J3の金沢や讃岐では、監督交代の好影響が見える。一方、J1の横浜FMや新潟、J2の富山や岐阜ではなかなか勝ち点3に繋がらず、期待された効果が見えていない。

今後、シーズン終盤戦へ向け、監督交代という大ナタを振るうクラブはまた現れると予測できる。時には優勝争いよりも注目される残留争いだが、これらのクラブの成績の推移にも注目していきたい。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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