かつてサンフレッチェ広島・浦和レッズ・FC岐阜でプレーしていた柏木陽介氏が、鹿島アントラーズ・日本代表OBの内田篤人氏と対談。昨季限りで現役引退した理由を語るとともに、現代サッカーのスタイルに物申している。
精度の高い左足を武器に、ファンタジスタとして多くのファン・サポーターから高い評価を受けていた柏木氏。2010シーズンから10年以上にわたり在籍していた浦和では、中盤の主力選手としてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)や天皇杯優勝に大きく貢献。トレーニングキャンプ中の規律違反により、2021年に浦和を離れた後、岐阜で3年間プレー。昨季限りで現役を退いたが、クラブアンバサダーとして岐阜に残っている。
そんな柏木氏は、インターネット動画配信サービス『DAZN』で今月7日配信開始の『内田篤人のフットボール・タイム』第173回にゲスト出演。内田氏から引退の理由を訊かれると、以下のようなコメントを残している。
「怪我もあるけど、最終的には今のサッカーのスタイルについていけない。ついていけないというか、面白くない。フィジカルが重視されてきている。(自分のような)フィジカルゼロの人間に『フィジカルが…』と言われたら、しんどい」
「技術、予測能力、運動量でカバーしていたけど、スプリントの回数だったり、プレー強度と言われ出すと、しんどい。J3はどちらかと言えば“闘い”。落ち着くことがないので。どれだけ上手くも『プレー強度』と言われたら、もうそれまでかなと。それだったら、遊びで楽しくサッカーをする方に走りたいなと思った」
フィジカル重視の現代サッカーには、日本代表OBの中田英寿氏が昨年11月、セリエA(イタリア1部)ローマ時代のチームメイトであるフランチェスコ・トッティ氏と対談した際に言及。DAZN制作『22YEARS』の対談番組で、トッティ氏が「今はテクニックじゃなくて、フィジカル重視。僕たちの時代と比べて難しくなっている」と語ると、中田氏は「どれだけ走れて、どのぐらい速いか、強いか(が重要になっている)。サッカーをすることと、走ることが全く異なるもの。そこが問題なのに分かっていない人が多い。ファンタジーのあるプレーはもう見られない。だから、俺はもうサッカーは一切見ない」と私見を述べている。
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