いよいよ2月18日に開幕となる明治安田生命Jリーグ2022シーズン。今年は11月下旬から開催されるFIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)の影響でJリーグも変則的なスケジュールになるが、新型コロナウイルス感染拡大が危惧される中でもこうして試合が開催されることに、感謝申し上げるとともに各クラブの健闘を祈りたい。
ここでは、J1クラブの2022シーズンの展望について「J1タイトル争い」「ACL出場争い」の2つに注目して紹介しよう。あくまで個人的な見解であるという点は予めご了承いただきたい。いずれにせよ良い意味でこの予想を裏切ってくれるシーズンになることを切に願っている。
J1優勝争い
筆者予想:川崎フロンターレ、浦和レッズ、ヴィッセル神戸、横浜F・マリノス
2022シーズンのJ1優勝争いは上記の4クラブが有力であると予想する。3連覇を狙う川崎フロンターレに対して、浦和レッズ、ヴィッセル神戸、横浜F・マリノスが追撃する構図になるだろう。同4クラブはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場もあり(ヴィッセル神戸はプレーオフからの出場)リーグ戦との両立が必至だ。しかしそれを見越した戦力補強をオフシーズンには行い、2018シーズンの鹿島アントラーズ以来のJクラブによるACL制覇も虎視眈々と狙っている。
川崎は、昨シーズン主力選手がこぞって海外移籍をしたものの、全体的な戦力は落とさずに2022シーズンを迎えられそうだ。特に北海道コンサドーレ札幌から加入したチャナティップ・ソングラシンは鬼木達監督によってどのように変化を遂げるのか注目したい。
浦和は、リカルド・ロドリゲス監督のカラーが出せる選手を揃えることに成功した。かつての派手な選手補強ではなく、足りない部分を的確に補う理にかなった戦略には好感が持てる。期限付き移籍ではあるが岩尾憲は監督に懐刀で、早速2月12日に行われた「FUJIFILM SUPER CUP 2022」では中盤にポジションを置きハードワークを90分継続させ川崎の撃破に貢献した。非常に楽しみなシーズンになるだろう。
神戸は、トーマス・フェルマーレンやドウグラスなどJリーグを熟知した選手の退団はあるものの十分優勝争いできるポジションに位置している。昨シーズン夏から加入した大迫勇也や武藤嘉紀、ボージャン・クルキッチに加え、新加入の槙野智章など日本だけでなく世界に対しても戦える集団に仕上げている。
横浜FMは、昨シーズン2位に終わったが、今シーズンも川崎を追跡する本命になるだろう。選手の入れ替えが目立ち、全体的なアップグレードにつながった印象を持つ。前田大然のセルティック移籍はあったものの、西村拓真やアンデルソン・ロペスの加入で攻撃力は維持できると考える。
ACL進出争い
筆者予想:鹿島アントラーズ、FC東京、名古屋グランパス、ガンバ大阪
アジアのクラブチームにとって最も権威ある大会AFCチャンピオンズリーグ(ACL)。日本からはJ1リーグ覇者、天皇杯覇者、リーグ2位3位(天皇杯覇者が重なる場合は4位)と計4枠の出場権(うち1枠はプレーオフからの出場権)が与えらる。2022シーズンのACL出場をかけた争いには、上記の4クラブが組み込んでくると予想する。すべて新監督が指揮することになるためまだ読めない部分は多いが、未知数な分最大のパフォーマンスを短期間で発揮することができれば、ACL出場圏内のみならずその上を目指せる可能性も十分秘めている。
鹿島は、まさに上記を形容するクラブであると考える。ドイツのニュルンベルクやRSCアンデルレヒトで監督経験のあるレネ・ヴァイラー監督を招聘し、どのようなフットボールを展開するのかに注目が集まる。鈴木優磨の復帰によりJ1屈指の攻撃力を手に入れ、キム・ミンテを中心にディフェンスラインが安定すれば上位に行ける可能性が高い。
FC東京は、昨シーズンまでアルビレックス新潟で監督を務めたアルベルト・プッチ・オルトネダ監督を招聘し、クラブのDNAを根底から変えようとしている。恐らくポゼッション重視のフットボールを展開してくるだろう。昨シーズンまでにはなかったスタイルなだけに既存選手たちの順応は懸念点だ。特に2列目の役割が重要であり、誰がスタメンを勝ち取るのかにも注目したいところだ。
名古屋も、長谷川健太監督を迎えて新たなチャプターをスタートさせた。長谷川監督がFC東京時代にシステムにしていた4-2-3-1は名古屋の基本システムでもあり順応は早いと予想する。サガン鳥栖から加入した仙頭啓矢や酒井宣福らがチームにフィットすれば名古屋も怖い存在になるだろう。また鹿島から加入したレオ・シルバの存在も大きく、中盤の安定性はリーグ屈指のものになった。
G大阪は、クラブOBであり昨シーズンまで大分トリニータで指揮官を務めた片野坂知宏新監督の下、新シーズンの躍動を誓った。レギュラークラスの選手が多く他クラブへ移籍した感は否めないが、各ポジションに新選手を補った印象だ。昨シーズン露呈した得点力不足を解決し、福岡将太やクォン・ギョンウォンで守備力の上積みができればACL進出も現実的な目標と言えるだろう。
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