適切な付き合い方さえできれば、SNSとは本当に便利なものだ。11月14日、明治安田生命J3リーグ第27節、テゲバジャーロ宮崎対FC岐阜の一戦を観るために、テゲバジャーロ宮崎のホームスタジアム、ユニリーバスタジアム新富(以下、ユニスタ)を訪れることになったのもSNSがきっかけだった。
これまでいくつものクラブに関して記事を書き、テゲバジャーロ宮崎についても様々な媒体で何度か書いてきたところ、サポーターの方数十人がSNSをフォローしてくれたことで繋がりが生まれてやりとりをするようになり、さらにぜひユニスタに来てくださいというメッセージを10月末に頂いた。
「2022シーズンに観に行けたらいいなあ」と漠然と考えていたところ「早急に行かねば」と決意。人生においてきっかけを大切にしていること、テゲバジャーロがJリーグ1年目ながらJ3で優勝争いをしていること、また筆者の家系のルーツが宮崎という理由もあった。日程はスケジュールが空いていた14日に決定。キックオフは13時で福岡からは日帰りも十分可能。そこからは行き方を模索していく。
ユニリーバスタジアム新富への行き方
所要時間や金額を比較して、結果として行きは博多駅から熊本県の新八代駅まで新幹線、そこから宮崎駅まで高速バスというネット限定きっぷのB&Sみやざき。帰りは宮崎駅から博多駅までフェニックス号という高速バス、というルートを選択する。博多駅から宮崎駅まで、行きの所要時間は約3時間、金額は14日前までの予約で5,090円。帰りの所要時間は約4時間30分、金額は前日まで予約可能な39割で3,970円だ。
なぜ行き帰りで違うのか?複数の経路を経験しようと思ったのではなく、残念なことに帰りの時間帯はB&Sみやざきが完売していたから。なにはともあれ、行き方は決定。ユニスタのゴール裏のチケットも確保し、準備は整ったのだった。
結論から言うと、宮崎はいいぞ、新富町はいいぞ、テゲバジャーロ宮崎はいいぞ、と皆さんに伝えたい。もちろん課題もあるが、テゲバジャーロ宮崎はプロヴィンチャ(地方クラブ)の在り方をすでに実践できているクラブだった。
公共交通機関を利用してこそ分かったこと
ワクワクする気持ちを胸に、迎えた14日当日。朝5時過ぎに起床し、新幹線と高速バスを乗り継いで宮崎駅に到着したのは10時になる少し前。バスを降りると、天気は晴れ。福岡より暖かい、小春日和の空気が身体を包んでくれる。
宮崎駅からはJR九州の日豊本線を利用して、ユニスタの最寄り駅である日向新富駅に向かう。と、そのために宮崎駅の改札を過ぎたところでテゲバジャーロ宮崎コーナーを発見。飾り付けに加えて、ユニスタに行くための電車のダイヤや選手名鑑が載ったチラシが置いてある。知ってもらうためには大切なことだ。
ちょうどテゲバジャーロ宮崎の試合のための臨時列車が来たため乗車。ユニスタで試合がある日の多くで臨時列車が出る。失礼ながら運行本数が少ない路線のため、とても助かる。宮崎駅から日向新富駅までの運賃は380円。ICカードは使えないため注意が必要だ。
電車に揺られていると、途中の駅でもアナウンスでテゲバジャーロ宮崎の試合情報を伝えている声が聞こえてきた。そしてついに、日向新富駅に到着。自動改札ではないため駅員さんに切符を手渡し改札を出ると「お茶を飲んで行ってください」の声。なんと、新富町商工会の方々が乗客1人1人におもてなしをしているではないか。
せっかくなので駅構内のベンチに座ってお茶とお漬物と、袋に入ったゆで卵(2つ)を頂く。商工会の方に少しお話を伺うと、おもてなしの内容は毎回変わり前回はおにぎりだったそう。「新富町の良い所を知ってほしくてやっています。もっともっとテゲバジャーロ宮崎が盛り上がってくれたら嬉しいです」とのこと。町を挙げてクラブを応援してもらう一方で、クラブがあることで多くの方に町の良さを伝えることきっかけを作る。Jリーグが謳う「地域密着」ってこういうことだ、と強く感じた。
駅から出ると、いわゆる駅前っぽさはない。でも、テゲバの幟が大量に。ここからユニスタまでは徒歩12分とのことだが、道中ずっと幟が立っている。おかげで方向音痴の私でも、地図を見る必要も迷う心配もなかった。
幟に沿って歩きながら、途中でちょっと寄り道。事前にテゲバサポの方に教えてもらったスーパーの「ながの屋」さんへ。ここは「逆ギレ弁当シリーズ」というユニークな名前のお弁当の数々が有名なお店で、多くのメディアに取り上げられている。そしてそのお弁当がボリューム満点で激安。スタジアムに行く前にここに寄って食料を調達するのも1つの手だろう。ただ今回はスタジアムグルメを味わうためにお弁当は我慢し、甘味のみ購入した。
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