日本代表に0-7で敗れるなど、FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選で苦戦を強いられている中国代表。国内でA代表の戦いぶりを巡る議論が白熱するなか、同国の年代別代表を率いる上村健一監督が、日本との比較で中国代表選手が優れている点や課題に言及している。
上村氏は現役時代にサンフレッチェ広島やロアッソ熊本などJリーグ複数クラブでプレー。引退後はカマタマーレ讃岐を率いたほか、2020年から中国1部・広州富力(現広州城)トップチームのコーチや下部組織の監督として活動。広州富力での実績が評価され、2024年2月からU16,U17中国代表の監督を務めている。
そのU17中国代表は、10月19日開催のAFC U17アジアカップ予選でバーレーンに2-0で勝利。同国代表の公式戦で初勝利を挙げた上村監督は、次節の韓国戦を前に”日中比較論”を展開したという。
中国メディア『捜狐』で10月20日に掲載されたインタビュー記事によると、上村監督はU17中国代表の選手と同年代の日本人選手を比較。「日本の年代別代表選手と違って、中国の選手は監督の要求を実行するのにかなり熱心。監督の要求を体現するのに全力を尽くす。実行力という点で、日本より良い」と、中国人選手の長所を強調。
ただ一方で、これまで中国の年代別代表を指揮してきた中で、同国の育成年代における課題も認識している模様。さらなるレベルアップにむけて必要な要素について、以下のように語ったという。
「中国人選手は日本人選手よりも背が高い。力強いし、走力もあるが、そうした特徴をどのように活かすのか理解しなければ力を発揮することはできない」
「監督は試合前に対戦相手を分析するが、試合状況が分析通りになるとは限らない。なので、ピッチにいる選手が状況に応じてプレーを変える必要がある。状況判断をするのは選手自身だが、そうした自分自身で考える力、主体性が足りない」
上村監督の見解を踏まえると、中国の育成年代の選手には”指示待ち人間”が多いという解釈も可能だ。一方で森保ジャパンでは、MF久保建英(レアル・ソシエダ)やMF遠藤航(リバプール)らが戦術の議論を行っているほか、パリ五輪世代をはじめ年代別代表の選手たちにも主体性が備わっている。こうした現状を踏まえると、今後数年間で両国代表の差が縮まることは考えづらい。
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