ヨーロッパのサッカー選手と比較して、高身長で強いフィジカルに恵まれている日本人選手はそれほど多くはない。もしそのような体格に恵まれていれば、当然ながら監督はそれを最も活かす方法を考える。
身体能力に恵まれた選手は、基本的に守備と攻撃の要となる重要なポジション、センターバック(CB)あるいはセンターフォワード(CF)として起用されることが多いが、その両方のポジションをカバーできるJリーグの選手も数人いる。
今回は、CBとCFを両方経験してきたJリーガーたちをまとめてみよう。
三國ケネディエブス
青森山田高校のメンバーとして大活躍し、2019年よりアビスパ福岡でプレーする三國ケネディエブス。彼は高校2年の時にFW(フォワード)からCBにポジションを転向したことでJリーグのスカウトからの評価が上がり、プロの世界に入ることができた。
ファビオ・ペッキア監督の元で2019年のJリーグ開幕戦からレギュラーとして試合に出場し、同年ポーランドで開催されたU-20ワールドカップ(5月23日〜6月15日)でも実力を見せた。
2020年のJリーグ開幕直後は出場機会に恵まれなかったが、先日(2020年7月29日)行われた第8節、福岡VS愛媛戦では意外な形でピッチに立つこととなった。
先制点を奪われ、試合の展開を変える必要があった福岡。今シーズンから同クラブを指揮する長谷部茂利監督は、195センチと高身長に恵まれているDF(ディフェンダー)三國をCFとして起用した。すると三國は監督の期待に応え、見事なヘディングで同点弾を挙げた。
盛田剛平
サンフレッチェ広島やヴァンフォーレ甲府など多くのJクラブでプレーし、2017年に引退を迎えた盛田剛平。神奈川県の桐蔭学園1年時(1992年)にはDFとして登録されていたが、2年の時にCFにコンバートされた。
珍しいことに、盛田はその後のキャリアでもCB、SB(サイドバック)、CF、と、全く役割の異なるポジションの転向を何度も経験することになる。
盛田は1999年、浦和レッズでFWとしてプロデビュー。結果を出せずセレッソ大阪と川崎フロンターレにレンタル移籍するも、レギュラーとして定着しなかった。
その後、広島時代(2004-2011)のメインポジションはCBとなる。さらに後の甲府時代(2012-2016)では、2014シーズン中にチームに純粋なCFが少なかったことから、再びFWへコンバートされることとなった。
熊谷駿
中学1年の時から180センチの身長に恵まれていたDF熊谷駿(現在は190センチ)。2015年に甲府に加入すると、翌2016シーズンからはDFだけでなく、FWとしても出場する機会があった。
甲府サポーターの記憶に最も残っているであろう熊谷の試合は、2016年5月8日、J1リーグ第11節の横浜F・マリノス戦だ。同試合で熊谷は、プロ初出場にして初得点も果たした。
その後熊谷は、2017年12月にアルビレックス新潟シンガポール(シンガポールを本拠地とするサッカーチーム。日本の新潟の下部組織でもある)に移籍し、現在はカンボジアのナショナル・ポリス・コミッサリーに所属している。これら両チームではDFとして登録された。
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