
名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムをメイン会場に、第20回アジア競技大会が開幕した。男子サッカーでは大岩剛監督率いるU-21日本代表が、初戦(9月16日/豊田スタジアム)のホンコン・チャイナ(香港代表)戦で2-0の辛勝で白星発進。まずは勝利したことが収穫だが、その内容は乏しいものだった。
アジア大会での日本代表は過去19大会を通じて優勝はわずか1回にとどまっている。2010年の広州大会で金メダルを獲得した以外、2018年ジャカルタ大会と2022年杭州大会では、決勝で韓国代表に敗れ連続準優勝に終わるなど、頂点に立てない状況が続いている。
ここでは、国際Aマッチウィークと一部しか重ならない大会日程、ベストメンバーを招集しにくい構造、育成・経験を優先する方針、そしてライバル国との熱量の差を中心に、日本がアジア大会を苦手としてきた主な理由を考察したい。

主力を招集しにくい大会日程
アジア大会の男子サッカーは、原則として23歳以下(U-23)の選手にオーバーエイジ(OA)3人までを加える形式で行われる。ただし、FIFA(国際サッカー連盟)の国際Aマッチカレンダーに含まれない大会のため、所属クラブに選手を派遣する義務はない。今大会もグループリーグ序盤の2試合(16日・20日)は国際Aマッチウィーク外にあたる。
欧州のクラブでプレーする主力選手を呼びにくいのが実情だ。今大会ではDF市原吏音(AZアルクマール/オランダ)、DF小杉啓太(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)、MF石渡ネルソン(シント=トロイデンVV/ベルギー)、FWンワディケ・ウチェブライアン世雄(オールボーBK/デンマーク)の4人を招集できたが、4人とも初戦と第2戦は不在だ。国際Aマッチウィークに入る21日以降に順次合流し、第3戦(23日/豊田スタジアム)から参戦する予定となっている。
日本はOAを使わず、全23人をロス五輪世代のU-21で編成した。結果として、Jリーグの若手や大学生を中心としたメンバーで序盤を戦うことになったが、こうした編成は今大会に限った話ではない。欧州組を招集できるFIFAワールドカップ(W杯)予選やアジアカップとは異なり、戦力や経験値で劣るのは致し方ないところだ。しかしながら出るからには優勝を目指すべきで、加えて今回はホスト国だ。日本サッカー協会(JFA)はロス五輪世代の強化の場と位置付けているが、“敗退した時の言い訳”を先に用意しているかのようで、ファンもそのような空気を察したのか、観客動員も寂しいものだった。
関塚隆監督が率いた2010年広州大会での初優勝以降も、アジアのトップに君臨する日本らしくない結果が続いている。クラブ側の協力を得られても、主力をフルに揃えるのは難しい環境が、2度目の優勝を阻む一因となっている。

育成を優先する日本の方針
JFAはアジア大会において、優勝を目指しつつも、選手個人の成長やチームの底上げに主眼を置いている。年齢制限がU-23+OA枠3人であるにもかかわらず、U-21世代で編成するケースが多い。五輪予選(AFC U-23アジアカップ)などとの日程調整や、次の世代の育成を優先する考え方からだ。これにより、相手国がOA枠を活用して陣容を固める場合、経験値やフィジカル面で差が生じやすい。
過去の成績を見ると、1951年大会以降の出場で3位が2回、準優勝も複数回ある一方、優勝は1回。育成を重視する方針自体は長期的な強化には資するが、短期的な結果を求める大会では不利に働きやすい。
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