Jリーグ 鹿児島ユナイテッド

J3鹿児島ユナイテッドに訪れた転機。上野新監督に期待されるレノファの再現!

上野展裕監督 写真提供:Gettyimages

上野展裕新監督に期待されるのはレノファの再現?

クラブ主導で継続し、先鋭化されて来たスタイルを受け継ぐ上野新監督は、2015年にレノファ山口FCの指揮官としてチームをJ3優勝に導いている。それも36試合で96得点という圧倒的な攻撃力を披露していた。山口はJ2昇格後もその痛快な攻撃サッカーで旋風を巻き起こした。

以降、山口では毎年のように主力選手が引き抜かれる状況が続いている。ただ、戦術的に特殊で選手たちの持ち味を発揮できる魅力的なサッカーを続けているため「1年はレノファでプレーしてみたい」と願うJ1の若手選手も多い。「毎年のように多くの別れがある反面、新たな出会いも多い」という、新陳代謝の激しい地方クラブならではの魅力を体現し続けている。

「2021年の鹿児島ユナイテッドと2015年のレノファ山口のスタッツ」作成:筆者

そんな山口がJ3優勝を成し遂げた2015シーズンと今季の鹿児島のスタッツが少し似ているので上記してみた。得点の数が大幅に足りないが、上野新監督に託されたのは、まさにこの時の山口の再現だろう。

上野監督のスタイルが浸透するとボール支配率はやや下がるだろうが、縦志向が強く、ゴールに向かって複数の選手がスプリントし、相手へ相当な怖さをもたらすと思われる。たとえ決定力がなかったとしても、GKに防がれることも計算してシュートを全てファーサイド側に撃ち、そのこぼれ球やシュート性のクロスをファーサイドで詰めたり、スライディングで押し込むような泥臭さやハードワークで得点に完結させる。鹿児島のスタイルに合っていて、なおかつ足りない部分を指導することにも長けた最適な指揮官である。


デポルティーボ・アラベスFW原大智 写真提供:Gettyimages

欧州デポルティーボ・アラベスとの提携

魅力を手にしつつある鹿児島に注目するクラブが欧州にもある。先頃、2019年のJ3得点王に輝いたFW原大智が加入した、スペインのデポルティーボ・アラベスである。元日本代表MF乾貴士も2019年1月から半年間在籍したアラベスは、スペイン北部バスク自治州の州都ビトーリアに本拠を構え、来季は6年連続でスペイン1部(ラ・リーガ)を戦う。

アラベスは世界初のプロバスケットボールクラブをオーナーに持つクラブだが、原がアラベス移籍直前まで所属していたクロアチアのNKイストラ1961やフランスのFCソショーと提携している“やり手クラブ”である。そして、2018年11月には鹿児島とも業務提携を結んだ。

コロナ禍もあって実現していないが、「鹿児島に必要な選手を我々のネットワークから提供できる」と、アラベスグループからの補強が視野に入るのは大きい。プレースタイル的にも鹿児島のポゼッションスタイルが合っているのだろう。

そして高校サッカーの名門である鹿児島実業高校があり、Jリーグ開幕前の各クラブがキャンプ地として重用する鹿児島の地に誕生した“おらが町のクラブ”鹿児島ユナイテッドFCは、地元に根差しているのである。

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