日本のトーマス・ミュラー
小林は、ポジション的にはトップ下起用が多いが、ドイツの絶対王者バイエルン・ミュンヘンのトーマス・ミュラーに似ている。年齢を重ねるにつれてキャプテンシーを発揮し、球際の攻防で激しく戦う闘将ぶりが際立ってきている過程も似ている。
小林もミュラーも攻守にハードワークができ、スペースやギャップを徹底的に突いてボールを受け、的確なプレーを選択する。オフ・ザ・ボールで違いを作れる選手だ。技術的には巧いようには見えないが、ミスは少ない。中央でもサイドでも、どのポジションで起用されても得点を期待できる。
近年のミュラーはアシスト数でブンデスリーガ記録を樹立するなど、31歳となった現在もさらなる進化を見せている。2015/16にはリーグ20得点を挙げるなど、得点を量産できる選手でもある。
小林悠の日本代表復帰を推す理由
ミュラーはドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督から世代交代を理由に代表から長らく外されていたが、ドイツ国民の期待を一身に受け、先頃約2年ぶりの代表復帰を果たした。1年の延期を経て開催される今夏のEURO2020(2021年6月11日〜7月11日)でもミュラーの闘将ぶりが見られるだろう。
キャップ数(代表出場回数)が100を越えるほどミュラーはドイツ代表でもレジェンドなのだが、小林はどうか?
33歳の現在も未だ日本代表としての記録は14試合2得点。だが、小林自身は現在もトップフォームを維持できている。逆に代表はメインシステムの[4-2-3-1]における1トップ・大迫勇也の代役が未だ見つかっていない。
右サイドのアタッカーは日本で最も競争の激しいポジションだが「左で作って、右で仕留める攻撃」が得意な日本代表にとって、小林は貴重なカードになる。
また、小林は得点源となる点取り屋とも共存できる稀有なストライカーである。2トップ採用時のFWには、トップ下の鎌田大地とは異なるセカンドトップ的に大迫と絡めるFWも必要ではないだろうか?
川崎には、田中碧や大島僚太を始めとした優秀なパサー陣が揃うが、パスを引き出す術が多彩な小林からの要求が、彼等を育てる上での大きな要素となっている。近年の日本代表には鎌田以外にパサーが育っていない。特にボランチの位置から攻撃を組み立てる選手の台頭を促すためにも、小林の代表復帰を推したい!
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