明治安田生命J1リーグの清水エスパルスは23日午後、元北朝鮮代表FW鄭大世が契約満了に伴い今季限りで退団することを公式発表した。
長きにわたりJリーグを代表するストライカーとして名を馳せてきた鄭大世は、ドイツのVfLボーフム、1.FCケルン、韓国Kリーグの水原三星をへて2015年夏に清水エスパルスに加入。ただ、今季は序盤から出場機会に恵まれなかったが、8月にレンタルで加入したアルビレックス新潟では公式戦26試合に出場し9得点をあげていた。
同選手は清水エスパルスを離れることについて「来年は日本平の桜の下で家族写真が撮ることができなくなりました。清水で5年。子供がずり這いから、クロールや側転ができるほど成長しました。毎日元気にトランポリンで飛びまくってます。昨日お風呂で成長した体をみて、満了という事実を胸に抱きながら、感慨深く二人を強く抱きしめました。妻もキムチを本当に頑張ってくれました。時が経つにつれどんどん愛が深まってます。それと同じように清水という街とクラブを家族のように愛してます」
「現役15年で初めての契約満了です。ドイツ時代、内田、香川、安田と、いずれ俺らにもその時がくると話してました。でもこれほど清々しいのは、豊かな現役生活を過ごしてきたからだと思います。清水では特に多くを手にしましたが、それでもまだこれだけ強く苦しさを感じるのは欲深さゆえであり、欲してる以上、飢え続けるということに気づいてから、新潟では欲せず、先も過去も考えず、周りの判断に反応せず、今何ができるかだけ考えてプレーしました。またこの戦ってる感覚を経験できて本当に幸せでした」
「 清水では5年間最高のサポーターの前でその経験と多くのゴールを決めれたし、昇格の感動は体に刻みこまれてます。 調子に乗ってて人間関係で揉めることもありましたが、最後は愛するチームメイトと最高の関係を築けました。ずっとここで家族と暮らしたかったですが、ここでの功績を胸に堂々と清水の地を家族と手を繋ぎながら笑顔で後にしたいと思います。ニュースで満了の選手の”感謝しかないです”というコメントを読み、心の中では不満で怒り狂ってるんだろうと思ってましたが、僕の心からも素直にその言葉が浮かび上がってきます。みんなこういう気持ちだったんですね。感謝しかないです。ありがとうございました」と感謝の言葉を残した。
また、今年8月に期限付き移籍で加入していたアルビレックス新潟に対しては「選手生活初めての契約満了。ドイツ時代、内田篤人、香川真司、安田理大と、いずれ俺らにもその時がくると話していました。でもこれほど清々しいのは、豊かな現役生活を過ごしてきたからだと思います。出て当たり前の時代から、どれだけ努力して結果を出しても響かなくなった近年。こういう不公平を受け入れて、「みんな退いていくんだな。自分もこのまま撒いた種が花開くことなく終わるのか」と悲観していましたが、今夏、チャンスをいただき、記憶に残る活躍でまた一花咲かせられたことは、招聘してくれたクラブに心底感謝してます」
「それぞれプロとしてベストの判断をしているので、それを恨んだら辛いだけです。慈悲喜捨の心で他を理解することが苦しみから解放される方法で、煩悩や慢を捨て去り、その判断を恨むことなく、尊重したいと思います。もっと長くここでプレーしたかったですが、振り返れば最高の4ヶ月を最高のサポーターと、才能溢れる最高のチームメイトと共に戦えたことを心から誇りに思い、胸を張って堂々と新潟を後にし、家族の懐に抱擁されたいと思います」
「ニュースで契約満了の選手の“感謝しかないです”というコメントを読むたびに、心の中では怒り狂ってるんだろうと思っていましたが、僕も自然と、「感謝しかない」という言葉が浮かんできます。みんなこういう気持ちだったんですね。本当にありがとうございました」と公式サイトを通じてコメントを残した。
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