もしもポーランドが日本に負ければ、史上最悪のW杯になっていたため、選手たちがこの試合と真剣に向き合うことを私たちは知っていた。しかし日本の戦術には驚いた。ポーランドで最も評価されている日本人選手の乾貴士はベンチ。香川も出場しない。試合のほとんどの時間を、0-0を目標にプレーし、0-1になっても日本にとっていい状況だったため、その姿勢は崩さなかった。
ポーランドのメディアはもちろん川島永嗣をあまり評価していなかった。しかし2つの重要なセーブを記録し、いい飛び出しからゴールを防ぐシーンもあった。『sportowefakty』は「川島は日本のシャイニングスターだった。素晴らしい直観と素早い反応はシュチェスニーに欠けているものだった。そして川島はチームを救った。だからポーランドは大会を去り、日本が次のラウンドに駒を進めるのだ」
ポーランド人達は日本がもっといい試合をすると思っていた。しかしポーランドは西野監督の考えを理解しなければいけない。W杯が始まる前、日本はグループで最弱のチームだと考えられていた。ゴールはグループ突破だったのだ。
国内ではこの試合に勝利できたのは、グリクの存在が大きいと語るメディアもある。最終ラインのリーダーがこの試合で先発に復帰したからだ。それによってディフェンスが整えられ、日本にとっては難しい試合になった。
ポーランドは30年以上も夢見ていたこと、W杯で偉業を達成するチャンスを逃した。グループを突破した日本を、私たちが非難することなどできない。西野監督は目標を達成したのだ。ポーランド人が夢見ていた目標を。
著者:マレク・バウルジノフスキー
1978年生まれ。ポーランドの大手メディアである『Fakt』、『Dziennik』、『Przegląd Sportowy』に寄稿し、現在はポーランド最大のスポーツウェブサイト『sportowefakty』に勤務。『Wielki Widzew』の著者で、2013年にポーランドのブック・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
Twitter:@M_Wawrzynowski
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