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女子プロサッカーWEリーグ。イタリア語由来のクラブ名とその深意

写真提供: Gettyimages

2021年9月に開始した日本初の女子プロサッカーリーグ「Yogibo WEリーグ」では、なでしこリーグ1部2部からの9クラブと、Jリーグからの新設2クラブの、計11クラブが記念すべき開幕シーズンを戦っている。

10月10日に終えた第5節では、開幕から無失点のINAC神戸レオネッサが、ホームで日テレ・東京ヴェルティベレーザと対決。髙瀬愛実のゴールで1-0で勝ち抜き、現在、三菱重工浦和レッズレディースと共にリーグの頂点に立っている。

ところでINAC神戸レオネッサのクラブ名は、イタリア語由来であることはご存知だろうか。ここでは、WEリーグを戦う11クラブのうちイタリア語が用いられた3クラブの名について、公式サイトによる由来説明と共に詳しい意味やニュアンスを紹介しよう。イタリア人ライターであり、イタリア語レッスン講師も務めるウッケッドゥ・ダビデが解説する。

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ノジマステラ神奈川相模原

ノジマステラ神奈川相模原

チーム名のステラはイタリア語で星という意味で、神奈川で女子サッカーの普及・発展に貢献し、神奈川の「星(ステラ)」を目指します。

ノジマステラ神奈川相模原 公式サイトより

イタリア語「ステラ」の深意

「ステラ(Stella)」は公式サイトに書かれている通り「星」という意味を持つ言葉だが、イタリア語の正しい読み方は「ステッラ」である。英語の「スター(Star)」同様「輝くほど活躍をしている人」を指す言葉でもあり、サッカーメディアでは「Stella del calcio(サッカー界のスター)」「Stella della squadra(チームのエース)」といったフレーズで多く使われる。

また、サポーターに是非使って欲しい面白いフレーズが1つあるので紹介しよう。「Portare alle stelle(ポルターレ・アッレ・ステッレ)(星に連れて行く)」である。宇宙に連れられたかのような素晴らしい眺めで、とても良い気分にさせられている、というニュアンスの意味を持つ。現時点リーグ6位のノジマステラ神奈川相模原には、このフレーズが多く用いられるような活躍シーンを今後期待したい。


INAC神戸レオネッサ

INAC神戸レオネッサ

“『INAC』はInternational Athletic Clubの略で、『レオネッサ』は雌ライオンを意味し美しく力強さを表しています。“

INAC神戸レオネッサ 公式サイトより

イタリア語「レオネッサ」の深意

「レオネッサ(Leonessa)」は「雌ライオン」の意味を持ち「レオーネ(Leone)(ライオン)」に由来する。イタリア人にとってライオンは、力強さの他に、勇気、推進力も表す動物だ。

現在リーグトップに立つINAC神戸レオネッサ。第5節の日テレ・東京ヴェルティベレーザ戦では、攻められる苦しい場面もたくさんあったが、泥臭くも諦めずに勝利を勝ち取った。イタリア語でこのように必死に戦う戦士のことをは「Cuore di leone(ライオンハート)」とも形容できる。

ところで「Fossa dei leoni(ライオンの巣)」というセリエAのミランを支えるサポーター団体をご存知だろうか。1968年に誕生した、イタリアでは最も歴史ある応援団である。レオネッサをサポートする団体が今後誕生するなら、「Fossa delle leonesse(雌ライオンの巣)」が良い名前かもしれない。

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名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

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