明治安田生命J1リーグ・鹿島アントラーズ所属のFW鈴木優磨(26)は、シント=トロイデンVV(STVV)在籍時にシャルケ移籍が破談に終わっていた。その破談の舞台裏にシャルケのドキュメンタリー番組『Zuruck zum Wir』が密着している。
鈴木優磨は2020/21シーズンにジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)全試合出場で17得点をマーク。絶対的ストライカーとして結果を残すと、シーズン終了後に移籍の可能性が取りざたされていた。
同選手のもとにはヘルタ・ベルリンやアンデルレヒトなど複数クラブからのオファーが届いた。しかし選手サイドはセリエAへの移籍熱望と伝えられる中、これらのオファーをすべて却下。選手本人はSTVVのプレシーズントレーニングに参加していたが、自身の去就問題に決着がつくまで公式戦での出場を拒否していた。
そんな中、ドイツの移籍市場最終日である8月31日にシャルケ移籍の可能性が急浮上。しかし必要手続きが移籍ウインドウの終了時刻に間に合わなかったと報じられていた。
『Zuruck zum Wir』は鈴木優磨のシャルケ移籍破談の背景について「鈴木優磨は買い取りオプション付きのレンタル移籍によりシャルケと契約することが急遽決まった。2021年8月31日の“デッドライン・デー”に、シャルケはSTVVや選手と合意していた。しかし、その後に起こったことがルーベン・シュレーダーSD(スポーツディレクター)を絶望させた」
「(書類転送に必要な)STVVの機器が作動せず、移籍手続き書類のシャルケ到着が間に合わなかったというのである。シュレーダーがこのことを知ったのは、移籍終了の9分前の午後5時51分であった」
「しかしSTVVの機器故障により、鈴木優磨のシャルケ移籍は阻まれた。午後5時58分の電話の後、シュレーダーは『彼の獲得は無理だ』と言った」
「シャルケの移籍のための努力と準備は無駄になってしまった。鈴木優磨はRCDマジョルカへ移籍したマシュー・ホッペの後釜になるはずだった。後釜は来なかったが、シャルケは高額な移籍金(350万ユーロ)のため、ホッペの放出を決断している」と説明。STVV側の不手際を指摘している。
また番組内では、鈴木優磨獲得のために用意されたプレゼンテーションの資料の内容も紹介されている。その資料によると、シャルケ幹部は鈴木優磨の特徴について「試合の流れの把握するのに長けており、オフザボールで様々な動きを見せる。テクニックのクオリティも高く、様々なパターンからゴールを奪う」と分析していたという。
鈴木優磨はSTVV残留決定後、自身のインスタグラムアカウントを通じて「この3カ月間はとてもタフな時間でした。この期間における自分自身の振る舞いは正しいやり方ではありませんでした。ここからもう一度立ち上がって、ハードワークをする必要があります。STVVに関わる皆さんのためにもう一度努力をします」と反省の弁を述べている。
またSTVVのベルント・ホラーバッハ監督やチームメイトに直接謝罪。再びSTVVの主力選手としてプレーしていたが、今年1月に鹿島アントラーズへ復帰している。
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