
若手選手への影響
この小説や漫画のような展開を生み出したのは、間違いなくカズの努力の賜物だ。ブラジルでプロになるなど夢物語でしかなく、そんな発想自体が薄かった時代に15歳で海を渡り、実際に叶えるということは生半可なことではない。
その努力が他に類を見ないほどの現役生活の長さに繋がり、現在所属する横浜FCの若手選手にも好影響を与えている。自分の倍以上も年齢を重ねている人がストイックに取り組み、練習だけでなくその前後や食事といった面も徹底して管理を行っているのだ。その姿を見て、自分もやらないわけにはいかない。
一方で出場機会が少なくなったにも関わらず、横浜FCがカズとの契約を続けること、カズが現役を続けることに対し厳しい意見があることは確かだ。だが、クラブが選手と契約したいと望み、選手がそのクラブで現役を続けたいと望んでいる。であれば、外野がとやかく言うべきものではない。さらに、いつ引退するかということに他人が口を挟むのはあまりにナンセンスだ。
ただ在籍しているだけというならばともかく、ストイックに練習を繰り返し、試合に出場するために本気の努力を続けているのだから尚更のことである。

燃え続ける魂
年齢を重ねて身体の管理が難しくなることと共にモチベーションを失い、引退を選択する選手は多い。そんななかカズをここまで突き動かし続けるのは、きっと「魂」だ。
1992年のAFCアジアカップ・イラン戦。終了間際にゴールを決めた際に発したコメントは「魂込めました、足に」だった。日本が初出場を果たした1998年FIFAワールドカップのメンバーから、直前に外れた際は「日本代表としての誇り、魂みたいなものは向こうに置いてきた」と。これらのコメント、何よりプレーから分かる通り、カズは魂を込めてサッカーをしている。だからこそ、人を強く感動させられる力がある。
2011年3月29日に行われた「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!」で、日本代表と対戦した「Jリーグ TEAM AS ONE」の一員に選ばれた当時44歳のカズは、62分からピッチに立った。
すると82分。田中マルクス闘莉王が競り合ったボールに誰よりも速く反応すると、GKと1対1になり冷静にシュート。カーブのかかったボールはゴールに吸い込まれた。カズはゴール裏に向かい、渾身のカズダンス。
この場面に、彼の魂を見た。そして自然と大粒の涙が溢れてきた。カズは何歳になろうと、何かを起こしてくれる男なのだ。この魂が熱くたぎり続ける限り、カズがユニフォームを脱ぐことはない。
いつかは訪れることになる「その時」を決める権利は、本人だけが持っている。
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