4月28日、レアル・マドリードのホームで行われたチャンピオンズリーグ(CL)セミファイナルの1stレグ、対するはチェルシー。打ち合いのような展開にはならず、メディア各社の発表した両チームのゴール期待値もあまり高くなく、少し堅い試合になった。
しかし、大雨の中の開催でお互いの狙いや戦術が明らかになったこともあり、5月6日に予定されている同2ndレグはもう少しオープンな展開になる予感もある。同試合の流れから2ndレグの展望までを分析しよう。
大会:UEFAチャンピオンズリーグ(CL)セミファイナル1stレグ(2021年4月28日)
開催地:エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ
カード:レアル・マドリード(白)vs チェルシー(青)
スコア:1-1
攻守における戦術の相違
試合序盤
前半が始まり、お互いにボールをゆったりと持つ時間が与えられる。
序盤、マドリードはボール保持時に[3-5-2]の状態からトニ・クロースがラファエル・ヴァランの左に降り、ナチョが大外の高い位置に進出してマルセロが内側に絞る形でビルドアップ。このような陣形の変化を試合中に何度か見たが、基本的には個人の判断をベースに、自由に移動して主に左サイドから攻撃を行っていた。
対するチェルシーは[3-5-2]でミドルプレスを仕掛け、大外のレーンにボールが来るとWB(ウイングバック)がプレッシングの強度を上げて奪いに行く。この時エンゴロ・カンテ、ジョルジーニョ、メイソン・マウントの3センターをできるだけ横に動かさないことが特徴で、あまりリスクを冒さずに守備をしていた。
前半5分ごろからはチェルシーがボールを保持する展開に。
マドリードは「敵」に基準を置いたマンツーマン気味のプレッシングを仕掛け、3センターのカゼミロをジョルジーニョに、クロースをカンテに、ルカ・モドリッチをアントニオ・リュディガーにぶつけて前線から奪いに行く。
対するチェルシーは、マウントが守備時よりもやや高めの位置を取る以外ではあまり陣形を変化させずに、移動を少なくして攻撃。複雑なポジションチェンジを繰り返して奪われた時にカウンターを食らうことを避けたいという狙いが見えた。また、選手が大きな移動をしなくてもマドリードのマンツーマンディフェンスを利用して前がかりになったモドリッチやカゼミロの背後でフリーの選手を作ったり、右サイドからカンテやセサル・アスピリクエタらのワンタッチパスで引き付けて崩すなどの動きは見事であった。
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