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イリチッチは“おばあちゃん”?セリエA選手たちの面白いニックネーム

フリオ・クルス 写真提供: Gettyimages

クルス
チーム:元インテル
愛称:El Jardinero(エルジャルディネーロ・庭師)

フリオ・クルスはなぜエルジャルディネーロ(庭師)と呼ばれることになったのだろうか?彼が庭仕事が好きだから?そう思っているなら大間違いだ。彼は植物に全く詳しくないし、興味もないのだ。

全ては1人の記者が書いた記事から生まれた。クルスはふざけるためにピッチのそばにあったトラクターに乗りチームメートと楽しく話していた。そのシーンを見た記者はまだ17歳だった彼を庭仕事好きだと勘違いし、それについての特集記事を書いたという。

クルスが否定しても、その記事が話題となり彼は「庭師」と呼ばれるようになった。「記者は僕が庭の手入れがうまいと思って、あんな記事を作ったのだろう。ただ、僕は庭のことなんて全く知らないし、小さい植物の手入れも下手だよ。未だにそう呼ばれていることが不思議でならないね」。

ジュゼッペ・ベルゴミ 写真提供: Gettyimages

ベルゴミ
チーム:元インテル
愛称:Zio(ジオ・おじさん)

老けて見えると言われ続けてきたインテルのレジェンド、ジュゼッペ・ベルゴミ。

17歳だったときに当時インテルのMFだったジャンピエロ・マリーニからこう言われたという。「お前は本当に17歳か?俺のおじさんみたいな顔しているのに…」。その時からベルゴミは「ジオ」、おじさんとなったのだ。

ベルゴミの老け顔については、インテルのユースの監督も面白いことを語っている。「彼がユースの選手だった時も黒い口髭をしていて、本当におじさんみたいな顔をしていたんだ。相手チームの担当者は成人した選手をプレーさせているだと勘違いし、クラブはよく苦情を受けていたよ。ベルゴミの身分証明書の写真を見せても信じてくれなかったね」。

アレッサンドロ・デル・ピエロ 写真提供: Gettyimages

デル・ピエロ 
チーム:元ユベントス
愛称:Pinturicchio(ピントゥリッキオ・ルネサンス期のイタリアの画家)

当時のユベントスにはニックネームを作るのが大好きな人物がいた。アレッサンドロ・デル・ピエロのニックネームも彼が作ったのだ。アンドレア・アニェッリ会長の祖父に当たる元オーナーのジャンニ・アニェッリだ。

彼はサッカーだけでなくアートも好きだった。そして、自分のチームに所属するプレーメーカーを、そのプレー・スタイルに応じて画家に例えたのだ。

アニェッリがつけた呼び方で初めて有名になったのはロベルト・バッジョのニックネームだ。日本では「コディーノ」(イタリア語でポニーテール)という呼び方で有名だが、イタリア国内ではラファエロとも呼ばれている。ラファエロは盛期ルネサンスを代表する画家の1人だ。

ラファエロという名前がすでにバッジョのニックネームとして使われていたこともあり、(元ユベントスのオーナーはデル・ピエロにもそのニックネームをつけたかったという)アニェッリはデル・ピエロのことをピントゥリッキオと呼ぶようになったという。

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名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

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