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香川真司、緊急事態宣言について言及…「スペインは日本の3週間先を歩んでいる」

香川真司 写真提供: Gettyimages

 7日、レアル・サラゴサに所属する元日本代表MF香川真司がブログを更新。日本で発令された緊急事態宣言について語った。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、安倍晋三首相は7日に7都府県を対象に緊急事態宣言を発令。 その状況の中、香川は自身のブログを更新し、「 限定的な緊急事態宣言、という印象を受けました」と言及した。 同選手のプレーするスペインでは、感染者が13万5000人を超えており、外出禁止や買い物のに行ける人数の制限、違反した場合には罰金が科せられるという。香川は「 スペインは日本の3週間先を歩んでいるという感覚があります。」とも述べている。

 香川が更新したブログの全文は以下の通り

香川真司

「日本で先ほど緊急事態宣言が出されました。ただ、東京や大阪など7都道府県のみで、ヨーロッパのような都市封鎖は行わないとのことなのかな?限定的な緊急事態宣言、という印象を受けました。僕の住んでいるスペインでは、基本的に外出は禁止。食料品や衣料品の購入時も外出が許されるのは基本的には一人のみ。警察も見回りをしているので、違反すれば罰金も取られます。日本でそのような規制がないのであれば、これはもう一人一人の行動にかかっていますね。

不要不急の外出をさけることを、まずは徹底するしかない。スペインは日本の3週間先を歩んでいるという感覚があります。こちらでは3週間と少し前に外出禁止令が出て、そこからも感染者数は増え続けました。今ピークに達したのではと言われていますが、まだまだ気は抜けない状況です。

各国の感染者数の増減を見ていると、これから日本でも間違いなくその数は増えていくでしょう。世界の国々のように、数万人、あるいは10万人を超える可能性も十分にある。みんなの意識を高めて、できるかぎりその数を低く抑えるべきです。

僕らサッカー選手も、日本より先にこの危機を経験している海外組を中心に発信していこうと動いています。それが僕らアスリートにできることのひとつです。
圭佑くんや佑都も発信していますが、ひとりひとりがサッカー動画をあげたり、
(乾のリフティングは自分は全然出来なかった)笑 
やれることを少しでもやっていきたい。
サッカー海外組のグループ LINE でも、呼びかけをやっていこうと皆で話し合っています。

そしてサッカーだけじゃなく、野球にバスケと、スポーツの垣根を超えて協力していければさらに広がっていくのかなと。

日本はまだ方向性を示せていない印象があります。

休業の際の保証面など、細かい問題があるのでしょう。
だからこそ、サッカー界やスポーツ界、影響力のある芸能人の方々が呼びかけないといけない。欧州ではサッカー選手やバスケットボール選手、アーティストが一緒になって呼びかけていますが、そんな一体感を日本でも感じられると必ずいい方向へ向かうはず。

国が動いてもらえるように、呼びかけていくしかないですね。まずは、家にいること。どうしても外に出なければならない時も最善の注意を払いながら、密集地帯に行かないなど、地道にやっていくしかないと思います。

毎日、コロナウイルスに関連するあらゆるニュースを目にします。
感染者数、リーグの再開はあるのか、それが5月なのか6月なのか、それとも夏まで続くのかー。

先が見えないストレスなのか、睡眠の質が少し落ちたように感じることもあります。ただ、考えすぎても仕方がないので、なるようになるだろうと思うようにしています。

最後のチーム練習をしてからもう25日が経ちました。

こんな経験をすることになるとは思わなかったけれど、これは僕だけじゃなく、みんなに同じ条件が課されている。ここで差が出るんだと思えばがんばれる。家の中でトレーニングをする中で、感じることや気がつくこともあります。
日本でも、これから自宅で体を動かすことになる人が増えるかもしれません。

それを自分の身体と向き合える時間、と捉えることもできると思います。
僕自身、友達と連絡しあうことも増えました。これも時間がある今だからこそなのかもしれません。ポジティブに捉えられる部分はポジティブに。僕は今やれることをしたい。ただやれることは限られている。

その中で医療の最前線で身を粉にして治療に当たってくれている全ての皆さんがいる事を僕は理解しています。少しでもその方々達に貢献していけるようにやれる事を見つけてやっていきたい。

そして皆さんにお願いです。他人事だと思わない。海外の状況を自分に置き換えて、日本を、そして自分を守ってほしい。気づいてからでは遅いんです。日本人の良い所は支えあう力を持っている。皆で円陣を組んで支えあって、全員で乗り越えていきましょう」