CL/EL チャンピオンズリーグ

UEFA、CLでの決定的な誤審を認める。チェルシー対アヤックス戦で誤退場など…

ジャンルカ・ロッキ 写真提供:Gettyimages

 欧州サッカー連盟(UEFA)が、昨年11月に行われたチャンピオンリーグ(CL)での一戦で誤審があってことを認めた。オランダメディア『テレグラフ』が報じている。

 UEFAが誤審を認めたのは、昨年11月に行われたグループステージ第4節のチェルシー対アヤックス戦。イタリア人のジャンルカ・ロッキ主審が裁いた試合だ。この試合では2つのPK、2人の退場者が生まれているが、物議を醸し、UEFAが誤審と認めたのが68分に起きたプレーだ。

 アヤックス陣内でチェルシーFWタミー・アブラハムとアヤックスDFデイリー・ブリントが接触。ロッキ主審はチェルシー側のアドバンテージを取り、チェルシーFWカラム・ハドソン=オドイはこぼれ球を拾ってそのままシュート。これがアヤックスDFジョエル・フェルトマンの腕に当たった。

 この一連のプレーに対しロッキ主審は、フェルトマンのハンドを取りチェルシーにPKを与えた。また、フェルトマンにはこの試合2枚目となるイエローカードを提示し退場処分。加えて、アブラハムに対しアフター気味に接触したブリントにも2枚目のイエローカードが提示され退場処分が下され、一連のプレーで2人の退場者と1つのPKが生まれることになった。

 ただ、このプレーに繋がる直前のプレーで、チェルシーFWクリスチャン・プリシッチがブリントに対してファールを犯していたのではないかと指摘されていた。加えて、フェルトマンのハンドは故意には見えず、PKとイエローカードという判定は適切では無い(厳しすぎる)と言う声が多く挙がっていた。

 この一連のプレーと判定に対し、UEFAはスペインのマジョルカ島で行われた定例会議で誤審と結論付けたようだ。会議では、ロッキ主審はアドバンテージを取るべきではなく、プレーを止めるべきだったという結論に至ったという(ルールブックでは、アドバンテージを取るのは直接得点に結びつく場合のみと限定されている)。ただ、ブリントへのイエローカードという判定は支持されたようだ。また、フェルトマンへのイエローカードとハンドと言う2つのペナルティに関しても、誤った判定だと結論付けられている。

 仮にロッキ主審がアドバンテージを取っていなければ、アヤックスの退場者は1人で済んでおり、チェルシー側にPKも与えられてはいない。アヤックスはこの試合を引き分けで終えたが、試合時間残り約20分で4-2とリードした展開であれば、10人であっても逃げきれた可能性は高い。

 最終的にグループステージ敗退となったアヤックス。チェルシー戦に勝利していれば、決勝トーナメント進出の可能性は高かった。アヤックスとしてはやり切れない結果となっただろう。