アーセナルの指揮官、ウナイ・エメリの首が危ない
かつては世界中から憧れるサッカーを落とし込み、アーセナルに多くの功績を残したアーセン・ベンゲルと袂を分かち、新たな船出として招聘されたウナイ・エメリ。昨シーズンこそ痛みの伴う改革を行い、プレミアリーグ5位・ヨーロッパリーグ準優勝と一定の評価を得ることができたが、今シーズンからエメリ体制を懐疑的に見る識者が増え始めている。
Nothing’s changed. pic.twitter.com/ZOwkgHitvy
— B/R Football (@brfootball) October 22, 2019
主な理由は2つある。まず1つは「結局何がしたいのか分からない」ということだ。個人的にはこの現象は今に始まったことではなく昨シーズンから発生しており、昨シーズンのボーンマス戦(アウェイ)やレスター・シティ戦(アウェイ)を見れば明らかになるだろう。
そしてもう1つは「エメリ自身に不可解な行動や言動が多い」ということだ。メディアから選手とのコミュニケーションの部分で問題があるのではないかという声が噴出しているエメリであるが、私はそれ以前に「考え方」に問題があることを指摘したい。ここから更に深掘りしていこう。
【Case.1】サウサンプトン戦後のエメリのコメント
私が初めて不可解であると感じたのは、昨シーズンのプレミアリーグ第27節ホームで戦ったサウサンプトン戦である。この試合17分だけで2得点を上げ余裕の展開で前半を終えた。しかし後半は打って変わってサウサンプトンの攻勢を受けることになる。前半のムードは一体何だったのか。まるでサウサンプトンの方がホームなのではないかと思えるゲーム展開だった。後半ようやくシュートに持ち込めたのが85分であることからも後半調子を落としてしまったことは明らかだった。しかし、試合後エメリは次のように語った。
「我々は多くのチャンスを生み出した。(結果は2-0だったが)2点以上入っていてもおかしくなかったよ。」後半シュートが1本だったことをエメリはすっかり忘れたのだろうか。明らかにこの発言はいただけないものがあった。
【Case.2】リバプール戦のフォーメーション
お次は今シーズンアンフィールドへ乗り込んで挑んだ第3節リバプール戦から。開幕2連勝と好スタートを切ったアーセナル。今シーズンは一味違うこと証明したいところだったが、その期待はリバプール戦で打ち砕かれた。それはスタートのフォーメーションにあった。
この試合アーセナルはなんと「4-4-2」の中盤ダイアモンド型で挑んだのだ。中央を狭い間隔で守りやすい特徴があるこの布陣だが、最強の3トップ、そして超攻撃的なサイドバックを擁するリバプール相手にサイドをケアせずに中央で守りきろうとする戦法を取ったのだ。エメリの采配の意図が誰にも理解されることはなく、結果はもちろん1-3で敗戦となった。
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