連勝を4に伸ばして挑んだ、前節の松本山雅戦に引き分けたコンサドーレ札幌。チャナティップ・ソングラシン、アンデルソン・ロペスという2人の主力を欠いたチームは得点を奪うことができなかった。そして迎えた首位FC東京との一戦。結果として札幌は、松本戦同様に得点を奪えず2-0で完敗を喫した。今回は、第12節で見えてきた札幌の強みと課題を、ここまでのリーグ戦を踏まえてご紹介する。
A・ロペス不在の今、どのように戦うのか
A・ロペスがいないことにより、札幌にあまりにも多くの影響が出ている。彼の個人能力により省けていた攻撃の手間や、彼が1人でシュートまでいってしまうために採用できていた5-3-2のブロックによる守備。周囲の選手がボールを持った際の選択肢など、多くのものを失った状態で札幌は戦っている。
ミハイロ・ペトロビッチ監督はアンデルソン・ロペスに代えて荒野拓馬を起用している。おそらく、今までのように圧倒的な攻撃回数で相手にディフェンスを強要させる戦い方から、そうしなくても良い戦い方を目指しているのだろう。であれば、守備ブロックの変更からサイドでのサポートの形など、すべてに修正を加えたうえで完成度を高めていく必要がある。1つの強みを手放す(手放さざるを得ない)ということはそういうことだ。
サイドを今まで以上に整備する必要性
ディエゴ・オリベイラが札幌のボランチをケアし、WBにボールが入った際にはサイドの2枚(SH、SB)で数的優位を作った東京。札幌のWBは仕掛けることもできず、ボールをボランチに戻すこともできない。東京がボールの取りどころの狙いにしていたエリアだ。この対策が押し込んだ際の停滞感にもつながっている。左サイドでは、ある程度は福森晃斗がサポートに入ることでなんとか攻撃を続けることができたが、問題は右サイド。進藤亮佑のサポートのタイミングに関してはもっと精度を上げていく必要がある。仕掛けることのできるルーカス・フェルナンデスとは言え、2対1の状況は難しい。
サイドを今まで以上に整備する必要性2
左サイドでは福森が一時的にWBと化すことで攻撃につなげられていると述べたが、確かにやろうとしていることは間違っていない。ただ、それは人数が足りなくなったという部分だけをカバーできているだけで、東京のディフェンス陣を札幌側の思惑通りに動かせていたということにはならない。
福森がWBと化すのは一時的なもので、菅大輝がこなしているタスクを完全にこなせてはいない。そのため、1つ内側のレーンに侵入するタイミングはつかめておらず、より深い位置まで侵入していくわけでもない。東京のディフェンスにとっても、対応しやすいものだった。
まとめ
これまでに比べて、言及する項目が少なくなったが、やはりアンデルソン・ロペスが不在の現在、どのように勝ち点を拾っていくかが焦点になるだろう。首位FC東京のホームに乗り込んで勝ち点3を奪うのは難しい。現実的に勝ち点1を狙いに行くのが賢明なはずだ。そうであるならば、もっと突き詰めなければいけないことがあるはずだ。どのクラブ相手にも1つの大まかな戦い方や、やり方を貫くのは難しい。相手が対策を講じてることを前提に、その対策をいかにかわしていくかが重要になってくるだろう。これだけ長い時間、相手の思い通りにビルドアップから制限されてしまうようでは、拾える勝ち点も拾えなくなってしまう。
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