Jリーグ 北海道コンサドーレ札幌

第2節で見えてきた、コンサドーレが抱える強みと課題

著者:菊池大将

開幕節に続き、第2節もアウェイの浦和レッズ戦という難しい試合を戦った北海道コンサドーレ札幌。2-0で敗れた開幕節とは打って変わり、浦和戦では安定かつ迫力のあるサッカーを展開し、今季初白星を挙げた。今回は、その第2節で見えてきた札幌の強みと課題を、開幕節を踏まえてご紹介する。

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2トップという選択肢

ジェイ・ボスロイドではなく鈴木武蔵を起用し、アンデルソン・ロペスとの2トップを選択した札幌。この決定が多くのポジティブな結果をチームにもたらした。1つ目はロペスの能力を最大限に引き出したこと。開幕節は3トップ右で孤立気味だった同選手だが、チャナティップ・ソングラシン、鈴木(前節であればジェイ)との距離が近くなり、より直感的、直接的なプレーが増えた。また、2トップの一角となったことで、ボールを引き出す動きも洗練された。特に先制点に繋がる菅大輝からの縦パスをエベルトンの脇のスペースで受け、サイドに展開したプレーは欧州トップクラスの選手でも難しい。アントワーヌ・グリーズマンを彷彿とさせるようなプレーだった。


チャナティップの圧倒的なポジショニング

浦和戦で3-4-1-2の1の部分を託されたチャナティップ。彼のポジショニング能力はいい意味でJリーグのレベルになかった。守備時は2トップと横並びになり、エベルトンへのパスコースをケア。GKまでプレスをかけてサイドにビルドアップを誘導し、ボール奪取につなげるプレーもあった。エベルトンにマンマーク気味の際にも、前を向かせるスキを与えず、浦和の攻撃の組み立てを制限し続けた。浦和が中盤の立ち位置を入れ替えた際にも冷静に対応した。攻撃時も同じく圧倒的なポジショニングを披露。パウロ・ディバラのように巧みなポジショニングを取りながら降りていき、ジョルジーニョのように浦和のプレスを無力化するパスコースを作り出しサイドに展開。あれだけ絶妙なポジショニングを取られると、並みの選手に彼を消すことはできないだろう。あれだけのキープ力があり、ポジショニングも誤らない選手は非常に稀だ。


深井と宮澤でプレスを無力化

前線2枚で最終ラインにプレッシャーをかけた浦和だが、宮澤裕樹と深井一希の2人だけで無力化されるシーンが多かった。プレッシャーを感じる場面で正確に深井に球足の速いパスを出せる宮澤、正確にさばける深井は非常に高いレベルでプレーしていたと言えるだろう。もちろん、その陰には逃げ場となるパスコースをうまく作っていた荒野拓馬の存在なども忘れてはいけない。浦和戦のようなプレッシングの回避を一貫性を持って行えれば、今シーズンは安定した戦いができるはずだ。


3バック、2トップでもサイドで優位性

3バックと2トップを同時に実行しようとすれば、サイドに常に人数をかけることは難しい。しかし、福森晃斗の存在がそれを可能にさせている。菅、ルーカス・フェルナンデスだけなら、WBを採用しているチームとの対戦においてサイドの攻防は基本的には1対1となり、互いの立ち位置によってサイドでの優位性が決まる。しかし、抜群のタイミングで攻撃に参加する福森がいることで、そのルールを無視することができる。(後半は浦和も槙野智章がオーバーラップし、左サイドで同じようなことを試みた)それに加えて、福森のキックの精度は素晴らしく高い。だからこそ生まれる“もったいなさ”は次のページで説明する。


クロスが上がるときの立ち位置

浦和戦ではペナルティエリアよりも低い位置からあがるクロスに対してはいい形で合わせることができていた札幌。ただ、それよりも深い位置であがるクロスに対してはもう少し改善が必要だ。深い位置に侵入しているのに、ボックス内の選手の足があまり動かない。重点的なトレーニングなどを取り入れてもいいだろう。


まとめ

これまでに紹介してきた点のほかにも、左右CBの楔のパスに対する積極的な対応などポジティブな面が目立った今節の札幌。試合終盤も、中央をしっかりと閉めて守備の対応ができた。ただ、浦和の完成度が低かったことも大きく影響している。今節のような積極的なディフェンスがより洗練されたチームにも通用するのか、第3節以降の大きな楽しみだ。また、ジェイ・ボスロイドと鈴木武蔵の使い分け。それによって戦い方にどのような変化が生まれるのか。今季の札幌は多くのワクワクを提供してくれている。