
大会:UEFAチャンピオンズリーグ
カード:ホッフェンハイム対マンチェスター・シティ
スコア:1-2
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの分析
・両チーム監督
・主審

マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):ダビド・シルバ
均衡した試合展開で、先制点の起点となるスルーパスを提供し、一瞬の隙を見逃さず決勝点を奪取。2得点に絡む活躍でチームを勝利に導いた。
ザ・ハード・ワーカー(THW):ユスティン・ホーフマ
弱冠20歳ながら戦術的に高度な役割を完遂。素早くボールサイドへスライドし、周囲と連動しながら守備をこなした。
モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):アイメリク・ラポルテ
ユリアン・ナーゲルスマン監督に「狙われた」アイメリク・ラポルテ。空中戦ではジョエリントンを充てがわれ、ジョシュア・ブレネトにスピード勝負を挑まれた。局面で劣勢に立ちメンタル面に影響が出たのか、バックパスでチームを危険に晒す場面も見られた。

シティの攻撃vsホッフェンハイムの守備(試合開始時点)
ホッフェンハイムの基本陣形は、ボール保持時が3-4-3、守備ブロック形成時が4-3-3。ナーゲルスマン監督は可変型システムを採用した。対するシティの基本陣形は攻守ともに4-3-3。
ホッフェンハイムの3トップはFWサライがフェルナンジーニョ、FWジョエリントンが中央からラポルテへ、FWベルフォディルが中央からウォーカーを監視。シティの2CBオタメンディとコンパニに対しては自由を与えた。
両サイドのタッチライン際に開くLWGサネとRWGスターリングに対しては、RBブレネトとLBカデジャーベクが距離を詰めて対応。4バックの距離間は比較的遠い状態であった。(同点ゴールもSBとCBの間)
当然、シティは距離の開いたSBとCBの間に生まれるスペース(ハーフスペース)を狙ってくる。ホッフェンハイムは対策として、ハーフスペースを狙うCMFギュンドアンとCMFシルバに、CMFデミルバイとCMFグリリッチュを充てがった。ゾーン守備を基本としながらも距離感を詰めて対応。常に2人を監視下に置いている。
シティは試合序盤からパスミスを連発。無駄なボールタッチが多かったことも影響し、ホッフェンハイムの牙城を崩せない時間が続いた。

ホッフェンハイムの攻撃vsシティの守備(試合開始時点)
ホッフェンハイムのボール支配率は33%。試合を通してほとんど守備の時間を過ごしたため、カウンターが主な攻撃手段となった。
シティの4人のDFラインに対し、ホッフェンハイムは選手間に3人のFWを配置。両WGがシティのSBの外側を駆け上がることで、攻撃に厚みをもたらす戦法を取っている。
シティの左サイドは試合を語る上で重要なエリアとなった。積極的にSBをオーバーラップさせるホッフェンハイムに対し、シティはあえてLWGサネを攻め残りさせる。ボール奪取後、SBブレネトの背後を素早いカウンターでゴールを狙うことが目的だ。
対するホッフェンハイムはLWGサネの背後、LSBラポルテの目前のスペースを活用して攻撃。同エリアから多くのチャンスを創出している。
同サイドから互いに多くのチャンスを作るも得点には至らず。この局面ではどちらかに軍配が上がることはなかった。

試合中の戦術的変化
シティは後半に入ると、CFアグエロを中盤に積極的に降ろすなど修正を加えるも、均衡は打開出来ず。そこで63分にストーンズを投入。グアルディオラ監督が一気に試合を動かしにかかる。
ボール保持時にストーンズをボランチに入れて陣形を3-4-2-1に変更。パス出しの位置を高めて中央のエリアに敵を密集させ、サイドにスペースを作り出した。またストーンズは守備時にCBと変化することでカウンター対策も万全となった。
試合が動いたのは86分。DFシュテファン・ポッシュのミスからだが、直前に左サイド深部に侵入し、クロスをあげている。サイド深くで優位を作ろうとしたグアルディオラ監督の戦略通りと言えるだろう。

ホッフェンハイム監督:ユリアン・ナーゲルスマン
戦術によって均衡状態を作り出したが、残り10分を凌げず敗北を喫した。戦力差を考えれば十分健闘したと讃えられるだろう。

マンチェスター・シティ監督:ジョゼップ・グアルディオラ
ユリアン・ナーゲルスマン監督相手に苦しんだが、陣形の変更によって勝利を手繰り寄せた。ただ、フェルナンジーニョなど代えの効かない主力選手にミスが目立つ点は今後に向けての懸念材料だ。

主審:ダミル・ スコミナ
明らかな誤審が多すぎた。判定の基準は曖昧で笛を吹くタイミングは遅い。選手の信頼を完全に失い、抗議される場面が目立った。戦術的な好ゲームに水を差す形となった。


コメントランキング