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元ブラジル代表ロナウド氏、自身のW杯でのキャリアを振り返る

 元ブラジル代表のレジェンド、ロナウド・ナザーリオ氏は 21 日に公開されたYouTubeの番組『COPA90』に出演し、かつての代表チームでのキャリアや秘話についてを振り返った。ロナウド氏は 1994年、1998年、2002年、2006年のW杯4大会に代表として参加しブラジル代表の黄金時代を築いた。中でも準優勝に終わった1998年のフランス大会では MVP に、優勝を成し遂げた2002年の日韓大会では得点王に選ばれ世界中のサッカーファンを魅了した。

 「子どもの頃の夢を叶えることができたし僕は良くやったと思う。キャリアの中で度重なる負傷に悩まされもしたけど、僕は満足しているよ」

 ロナウド氏は笑顔で自身のキャリアを振り返った。開催国の優勝で幕を閉じたフランスW杯、ロナウド氏は決勝の前日に痙攣を起こすというアクシデントもあり満足のいくプレーができなかった。また、彼だけでなく動揺したチームメイトたちも低調なパフォーマンスに終始。決勝戦でフランス相手にまさかの3失点と大敗を喫した。

 しかし、4年後の日韓W杯で同氏はストライカーとして爆発。大会を通して8ゴールを挙げ得点王に選ばれるとともに、チームも決勝でドイツを2-0で破り優勝を成し遂げた。とりわけ決勝で当時のドイツ代表GKオリバー・カーン相手に決めた2ゴールは圧巻で、その“怪物”ぶりを世界に見せつけた。

 番組内で「4年前に敗北を経験してから優勝する気持ちはどう?」と当時の心境を問われた彼は「毎回優勝することはできないよ。それがサッカーというものさ。ただ2002年は優勝できたから特別だった」と語った。

 また、同大会の2年前に今後のキャリアも危ぶまれるほどの大怪我を負っていたことにも言及し「一生サッカーができなくなるかもしれない大怪我だったんだ。W杯に間に合わせるのが精一杯だったよ。あの怪我から復帰するまで自分という人間の強さを知らなかった」と当時の不安や驚きの心境を振り返った。

 ロナウド氏といえば“大五郎カット”とも呼ばれる前髪の一部だけを残し、他の部分を剃った奇妙な髪型で同大会に臨んだことでも知られている。これに関して同氏は「その時期は筋肉系の怪我を負っていたんだ。普通はみんな怪我の話しをするだろう?だけどあの髪型でトレーニングに行ったもんだからみんな髪型の話しばかりするんだ。怪我のことは忘れられたよ。変な髪型だったけど助けになった」と語り、その奇妙な髪型が自身の怪我を紛らわせるためのものであったことを明かした。

 最後にロシア大会を戦うブラジル代表について「ネイマールは非常に優れた選手だ。彼がこれまでの記録を破っていくのを見てみたい。彼がそれを成し遂げられたらブラジルは全勝できるよ」と母国の後輩にエールを送るとともに「今回のW杯に僕はとてもエキサイトしているよ。偉大な大会になることを確信している」と続け同大会を楽しみにしていることを明かした。

 ブラジル代表は今大会で優勝候補の一角として見られており、国民の期待も高まっている。グループリーグ首位通過が決定した“カナリア軍団”は果たして4大会ぶりの優勝を成し遂げることができるだろうか。注目が集まる。