ラ・リーガ セビージャ

「金星」獲得を目指すセビージャ。CLに挑む策士モンテッラのプランとは

マンチェスター・ユナイテッドを破り、喜ぶスティーブン・エンゾンジ(中央) 写真提供:Getty Images

 それ以降も安定しない戦いを続けるモンテッラ・セビージャだが、とかく“横綱級”の大物に強い。スペイン国王杯準々決勝で対戦した、ディエゴ・シメオネ総帥率いるアトレティコ・マドリードには、アウェイで2-1、ホームで3-1の勝利を収めた。

 さらにチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦では、大物選手が綺羅星のごとく居並び、稀代の名将と称されたジョゼ・モウリーニョ監督率いるマンチェスター・ユナイテッドに、アウェイで2点を叩き込んで準々決勝に駒を進めた。

 記憶に新しい先週末のバルセロナ戦では、あと1分で未だリーグ戦無敗のバルサに、今シーズン初の黒星をつけるところまで迫った。いつものように“救世主”メッシがバルセロナを救い試合は2-2に終わったが、完全にセビージャが試合をコントロールしていた。

 このチームを支えているのは、ベリッソ時代にうまくチームにフィットしていなかった選手たちだ。ワールドカップでは日本のライバルとなる、コロンビア代表FWルイス・ムリエルはモンテッラ監督が指揮をとり始めてから、サンプドリアで見せていた姿を取り戻した。同じことはフランコ・バスケスにも言える。エレガントなボールタッチでチャンスを演出するトップ下は、実力を徐々に発揮し始めている。

 最も大きな存在はスティーブン・エンゾンジだ。移籍騒動のゴタゴタが影響したのか、ベリッソの下では試合にすら出場させてもらえなかった中盤の要が、エデル・バネガとともにセントラルミッドフィールダーに君臨するようになってから、攻守両面においてチームのパフォーマンスが向上した。

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