チョン・ソンリョンは傍観者だった。川崎フロンターレのゴールキーパーは、チームがガンバ大阪を圧倒していたために、90分間一度もシュートセーブする場面を迎えなかった。昨シーズンのJリーグ王者は彼らが、素早いショートパスとワンツーを使いながら相手をすり抜けてゆく、本来の姿である時は見ていて非常に楽しい。レビー・クルピ監督にとって、対戦するにはあまりにも強力すぎた。
前半と後半で、それぞれキックオフから間もなく記録した得点により、川崎は試合を終始支配して相手にチャンスを与えなかった。フロンターレがこれ以上にゴールネットを揺らさなかったのは、慈悲深かったとすら言える。今回、過去2シーズンのMVPをそれぞれ獲得した小林悠と中村憲剛はサポート役に回り、元ガンバの2選手が2018年シーズンのホーム初勝利をチームにもたらした。家長昭博と阿部浩之はオフェンスをけん引し、2得点目を生み出した。先制点を決め中盤で存在感を発揮したエドゥアルド・ネットは、ふたりと並びこの試合の主役のひとりだった。
ガンバにとって今シーズン序盤で、唯一ポジティブな材料である東口順昭は、大敗を喫したかもしれないチームを救った重要な存在だ。彼は日本代表に選ばれる資格があることを、この試合でも示した。
ガンバはネガティブな記録を更新中だ。過去6ヶ月すべての大会での未勝利が続き、2017年の9月3日にヴィッセル神戸に敗れてから、連敗記録は17に伸びている。3連敗でスタートした今年、2012年の最悪なシーズンスタート記録に並んだ。J1リーグで勝ち点0なのはガンバ大阪だけであり、彼らは現在最下位に位置している。これは同クラブにとって18年ぶりの順位だ。J2に降格した2012年シーズンでさえ、最下位に順位を落としたことは一度もなかった。当時監督を務めていたのは、クルピ監督と同じブラジル人のジョゼ・カルロス・セホーン氏だった。彼はJ1リーグでの3連敗とACLでの2連敗のあと、すぐに解任された。
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