[3.2 第24回全日本選手権1回戦 立川・府中 13-1
長野 兵庫県立]
立川・府中アスレティックFCは、全日本選手権1回戦のボアルース長野ヴェルメリオ戦に13-1で圧勝した。この試合を前に今季限りでの現役引退が発表されていたFP宮田義人は、5点をリードした前半12分以降から出場し、自身の1ゴールを含む2ゴールに絡む活躍を見せて、チームの勝利に貢献した。
試合後、チームメイトたちに「キャリア最後のゴール」とイジられていた宮田に試合についてだけではなく、キャリアを振り返ってもらいつつ、引退の理由や9番を継いでほしい選手などをうかがった。
以下、長野ヴェルメリオ戦後のFP宮田義人のコメント
――キャリア最後の大会が始まってしまいましたね。
宮田 そうなんですよ。最後ですよ、もう。やっぱりいろいろと思い出すことがありますよね。でも、最後、楽しみながら、頑張って優勝したいと思います。
――引退を決意した一番の要因はケガですか?
宮田 体も正直、きついですね。今年、指を骨折して復帰して、次は腰に来て、ヘルニアにもなってしまって。
――いろいろと併発してるんですね。
宮田 はい。それで痺れて、前に手術したヒザも痛くなって。それに、そろそろ出場時間も短くなってきたし、若い選手も出てきたので。
――今日も最初の2セットからは外れていましたね。
宮田 はい。今シーズンも最初はちょいちょい出ていたのですが、だんだん出場時間が減ってきて。毎年ですが、そろそろかなと考えながらプレーしていたので。気持ちの変化、体もきつくなって、若い選手も出てきたので、この辺で限界かなと思って決断しました。
――オーシャンアリーナが今のところ最後のタイトルなので、ここでもう一度取りたいですね。
宮田 そうですね。もちろんリーグ優勝したかったのですが、そこは叶わなかったので、全日本選手権を最後に取って、引退したいですね。
――先ほどの試合では一瞬、ドリブル王子の片りんも見せましたね。
宮田 そうですか?
――ただ、抜いた後のボールの置き所が悪くて、抜ききれませんでした(笑)。
宮田 そうなんですよ。あれダブルタッチから、足元入りすぎちゃって……。でも、このレベルの相手ではなく、準決勝、決勝とか、より高いF1の相手に仕掛けたいですね。
――デビュー直後は『ドリブル王子』と呼ばれるような選手でしたが、終盤はフィクソになりました。あらためて、どういう過程でそうなっていったんですか?
宮田 サッカーをやっていた時、ドリブルなんてしなかったんですよ。
――そうなんですか?
宮田 はい。ボランチで、激しくディフェンスして、球をさばいて、サイドチェンジしてって。どっちかというとキックが得意だったので、ロングキックをバンバン蹴っていたんです。
――サッカーとフットサルでは、プレースタイルが変わる人がいますが、その一人だったんですね。
宮田 はい。それでフットサルを遊びで始めた時にドリブルを仕掛けていたのですが、そのまま競技フットサルに移行したので、アラになったんです。でも、監督が伊藤(雅範)さんになったときに「フィクソをやってほしい」と言われました。その頃ですね。言われた直後は、アラになっていたので「フィクソかー」と思ったのですが、実際にやってみたらサッカーのボランチに似ていましたし、こっちの方が得意だったのかなと思うようになりましたね。
――ドリブル王子になることができていたけど……。
宮田 今となっては、圧倒的にこっちの方が自分に向いていたと思います。
――負傷が多かったのに、ここまで長くやれたのは、自分に最適なポジションを見つけられたからかもしれませんね。
宮田 そうですね。伊藤さんの時に、「そこで終わるか、転向するか」という感じでした。
――試合に話を戻すと、チームの11点目の時、シュートを相手に当てて、それをマルキーニョが押し込みました。今日も宮田選手のゴールはないかな…と思っていたら、最後にありましたね。
宮田 取れましたね(笑)。まさかの(相手の)後ろで取れるという(笑)。
――見事に決めましたね。チームメイトからは「キャリア最後のゴール」といじられていましたが(笑)。
宮田 まだまだありますよ! 狙っていきます。チャンスがあれば。もちろんチームが勝つことを優先して、良いところに人がいれば、そっちにパスを送りますけど、チャンスがあれば、ゴールも狙っていきたいです。
――来季F1に上がってくる可能性もあるボアルース長野の下部組織、ボアルース長野ヴェルメリオが相手でした。どんな印象が残りましたか?
宮田 最初は勢いがあって、声も出ていたので、面倒くさい相手になるかなと思っていたのですが、うちが良い形で、早い時間に点が取れたので良かったですね。あれで勢いに乗りました。ジョーがいると助かりますね。別格ですよ。
――今日、5点ですもんね。
宮田 はい。全然、格が違うなと。やっぱりうまいですよ。
――明日は、この後の湘南ベルマーレとロボガトの勝者との試合ですよね?
宮田 そうですね。おそらく湘南ですよね。ビッグマッチです。
――東京に戻って準々決勝以降を戦うためにも、負けられませんね。ここをキャリアの最後にするわけにはいきませんよね。
宮田 そうですよ! こっちで引退できないですよ。向こうで家族も、友達も、待ってくれていますからね。ファンの人たちも。最後の試合、ユニフォーム姿を駒沢で見せないと!
――最後に来季以降の話ですが、立川・府中がFリーグに昇格して以降、9番はずっと宮田選手が背負ってきましたよね? 誰かに継いでほしいとか、ありますか?
宮田 いや、町田に行った時期以外は、ずっと関東リーグ、Fリーグと9番を付けていましたね。誰に継いでほしい? いや、考えたことなかったですね。
――割とストライカーの番号ですよね。
宮田 はい。だから、そういう人がつけたがる番号なのかな? 狙っている人もいるのかな。わかりませんけど。ジョーとか、今、19番ですよね? もしかしたら9番がいいんじゃないですかね? 僕が「付けてほしい」とか、おこがましいです。僕の番号っていう意識もないんで(笑)。
――いや、でも、ほかに付けていた人はいませんからね。
宮田 そうですね。長い間、付けていたので。でも、若い選手が付けてくれても将来に期待したいですし、ジョーみたいに今、点が欲しい時に結果を出してくれる人でも嬉しいですし。 ――では、誰が引き継ぐのか。そこも楽しみにしたいと思います。
宮田 そうですね。僕が指名しても、きっとやりづらいじゃないですか(笑)。指名された人も、もしかしたら「付けたくないのに!」ってなってもイヤなんで。付けたい人が付けてくれたらなと思います。
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