Jリーグ 町田ゼルビア

川淵三郎氏の町田・刑事告訴関連投稿から読み解く。テレビ報道の問題点とは?

川淵三郎氏 写真:Getty Images

 クラブや選手、スタッフに対するSNSでの誹謗中傷に対して、刑事告訴を行ったという町田ゼルビアの公式発表を巡り、元日本サッカー協会(JFA)会長、Jリーグチェアマンの川淵三郎氏が憤慨。テレビ報道をもとに自身の思いを綴っているが、一部から報道内容に対する疑問の声が挙がっている。

 町田の刑事告訴は15日放送の「ニュースウォッチ9」(NHK)、「news23」(TBS系)、「報道ステーション」(テレビ朝日系)など、複数の地上波番組でもクローズアップ。中でも報道ステーションは特集を組むなど、FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選・日本代表vsオーストラリア代表の中継後ということもあり、誹謗中傷問題の報道に注力している。

 クラブの対応を巡って様々な意見が挙がるなか、川淵氏は16日午前にXを更新。「町田セルビアへの悪質な誹謗中傷に対する告訴をテレビ報道で知って愕然とした」(原文ママ)と切り出すと、「自分自身もそうだけど少々の悪口雑言は我慢している。しかし町田に浴びせられた長きにわたる誹謗中傷は我慢の限界を超えたものに違いない。サッカー界全体を貶めるものだ。怒り心頭に発する」と投稿。誹謗中傷を非難したうえで、「町田優勝目指して頑張ろう!」と締めくくっている。

 この川淵氏の投稿には、賛否含めて様々な意見が寄せられているが、中には「川淵さんでさえ、テレビ報道をそのまま鵜呑みにするのか…」「テレビの報じ方は一方的なものだと思うけど…」といった指摘も寄せられている。

 報道ステーションを例に取り上げると、同番組は誹謗中傷のメッセージを取り上げただけでなく、9月28日に行われたJ1第32節・広島vs町田で広島所属の一部選手が町田スタッフの用意したタオルを濡らす行為もクローズアップ。ただ広島側の主張やスタンスに触れることなく、町田を全面的に擁護する構成となっているだけに、広島の印象が悪くなる可能性を危惧する声が湧き起こっている。

 一方の主張のみクローズアップする構成により、一部の日本国民から厳しい目が向けられているテレビ報道。スポーツ界に限らず、日本社会で誹謗中傷が許されない一方で、国民には情報リテラシー能力や物事を客観的な視点から分析する力が問われそうだ。