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中国の“2軍”派遣再び!ACLにつづきE-1選手権でも「ゼロコロナ」政策の余波が…

EAFF E-1サッカー選手権 写真:Getty Images

 日本サッカー協会(JFA)は19日、今年7月開催予定のEAFF E-1サッカー選手権の開催地が中国から日本に変更されたと公式発表している。中国の新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした防疫対策による開催地変更となる中、中国サッカー協会(CFA)の決断が波紋を呼ぶかもしれない。

 東アジアサッカー連盟(EAFF)主催の国際大会であるE-1サッカー選手権は男子が2003年、女子が2005年から東アジアサッカー選手権という大会名称のもと始まり、2、3年おきに開催。2017年の第7回大会から「EAFF E-1サッカー選手権」へと名称が変更されている。

 今大会は中国での開催が予定されていたが、中国政府がゼロコロナ政策を推進。入国規制を強化していることから日本へと開催地が変更となっているが、CFAはA代表ではなくU23代表チームのメンバーを日本に派遣すると公式発表したのだ。

 中国サッカーといえば、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区グループステージで中国スーパーリーグ(中国1部)所属の2クラブが若手主体のメンバーで参戦し、2試合つづけて惨敗を喫していることが記憶に新しい。

 今季のACLには山東泰山、上海海港、広州FC、長春亜泰の4クラブが参戦予定だった。しかし、長春亜泰は財政難の影響もあり先月1日にACLプレーオフ出場辞退が正式決定。くわえて上海海港は新型コロナウイルス感染拡大により上海市内がロックダウンとなっていることから、タイ遠征が不可能に。今月11日になって上海海港の参加辞退が正式決定している。

 そして広州FCと山東泰山はACLグループステージに参戦しているものの、ほぼ全員が10代後半から20代前半と若手主体のメンバー構成に。中国メディア『新浪体育』は中国当局による新型コロナウイルス感染拡大対策の強化や国内リーグ戦との両立、遠征費負担などをふまえて主力選手をタイ遠征メンバーから外したと報じていた。

 広州FCは15日開催のグループステージ開幕戦でジョホール・ダルル・タクジムFC(マレーシア1部)相手に0-5で敗れると、川崎フロンターレとの一戦では0-8と大敗。山東泰山も初戦で大邱FC(韓国1部)相手に0-7で敗れ、浦和レッズ戦でも0-5と完敗。この中国勢の結果に対しては各方面から批判の声が上がっているほか、「AFCの代表は中国サッカー協会に対して、彼らがACLを尊重しない場合、中国クラブが棄権させると警告した」と一部の中国メディアが報じている。

 ゼロコロナ対策を理由に国際大会にフルメンバーで参戦しない状況が続く中国。財政難等による国内サッカーの衰退が顕著となる中、今回のCFAの公式発表は国際社会から更なる反発を招くことになるだろう。