北海道コンサドーレ札幌の期待の星といえば、やはりMF金子拓郎であろう。
金子は日本大学3年生だった2018年に北海道釧路市で行われた夏合宿で札幌と対戦し、そのままクラブの練習に1週間参加。翌年の2019年、シーズン開幕前の熊本キャンプに招待されると、2020年より正式にチームに加わった。
そして2021明治安田生命J1リーグ第1節の横浜FC戦。その金子が印象的な2得点を挙げ、札幌の勝利(5-1)に大きく貢献することとなった。両ゴール共に彼が最も得意とする形で決まったものだった。
同試合の金子の得点シーン動画を是非確認いただきたい。相手をかわすために右サイドから中央に絞り、左足でシュートを打つ。この動きで正確なクロスを上げライバルチームを混乱させる場面は、他にも多くの試合で確認できる。
この金子の動きのパターンが、札幌とは遠く離れた別の「ロッソネーリ(赤黒)」クラブで活躍した選手に酷似している。2016年から2020年にかけてセリエAのミランでプレーした、スペイン代表MF(またはFW)のスソ(現セビージャ所属)である。
金子とスソの共通点
金子とスソには多くの共通点が見受けられる。まず、両選手共に左利きであり、最初にプレーしたポジションはトップ下だった。
そして両選手の強みであるドリブルとスピードを最大に生かすために、どちらも右サイドで起用されることが増えた。中盤的なポジションで出場しても右サイドを狙い動き出すシーンが多いのである。
また彼らに共通する、1対1の場面で迷わずライバル選手に挑むスピードを乗せたプレーを止めるのは不可能に近いものだ。彼らの突破力によってチームメイトがフィニッシュまで持ち込めることはもちろん、精神的にも「前へ進む」勇気が伝染していく。
最大の共通点はやはり先ほど紹介した攻撃パターンであろう。現在27歳であるスソはその方法で多くの得点やアシストを重ねた。しかし、その武器が大きな弱点となった時期もある。まだ23歳の金子は、スソの過去から学ぶべきことがある。
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