
川崎フロンターレは6月30日、日本代表DF高井幸大が海外クラブへの移籍を前提とした手続きと準備のため、7月5日(土)の活動をもってチームを離脱すると発表した。
高井は川崎の下部組織出身で、高校2年生だった2022年2月にクラブ史上最年少でプロ契約を結んだ。翌2023年にJ1デビューを果たすと、2024年には24試合出場2得点の活躍でJ1ベストヤングプレーヤーに選ばれた。同年9月にはA代表にも選出された逸材だ。
今シーズンもここまで21試合出場2ゴールと最終ラインの砦としてチームを支えていた高井。7月4日時点でチームは「6位」と好位置につけており、痛すぎる流出であることは間違いない。Jリーグは7月7日から第2登録期間が始まるため、移籍市場が活発になる。このタイミングで高井の代役となるセンターバック(CB)の獲得が発表される可能性が高い。ここでは、高井の代役になり得る補強候補5選手を紹介する。

谷口彰悟(シント=トロイデンVV)
川崎で4度のJ1制覇(2017、2018、2020、2021)に貢献した後、アル・ラーヤンSC(カタール)を経て、現在ベルギー1部のシント=トロイデンVVに所属しているDF谷口彰悟。
CBを主戦場としており、空中戦の強さやビルドアップ能力の高さ、カバーリングの上手さなど、最終ラインからチームを統率することが出来るディフェンスリーダーとしてチームを牽引。攻守ともにすべての能力が高く、どのクラブも喉から手が出るほど欲しい存在だろう。
谷口は日本代表のFIFAワールドカップ26アジア最終予選で3バックの中央を任されていたが、昨年11月に左アキレス腱断裂を負い長期離脱。これに台頭したのが川崎の高井である。
川崎でのプレー経験や実績がある谷口が再加入することになれば、戦力ダウンは最小限に抑えられるだろう。谷口の川崎復帰は実現するのか。動向に注目したい。

谷口栄人(東京ヴェルディ)
東京ヴェルディの下部組織に所属していたDF谷口栄人は、国士舘大学卒業後、東京Vのトップチームに加入。緑のユニフォームに袖を通している。
身長181センチのCBであり、次のプレーを読む眼や現代サッカーに求められる最終ラインからのビルドアップ能力、身体を張ったディフェンスに定評がある。特にチームのピンチには、身体を投げ出して数多くの失点を防いできた。前述の谷口彰吾と同様、クールな顔立ちの内側に熱い闘志を秘めている。
2022年のプロ初年度は、J2リーグで34試合出場1ゴール。2年目の2023シーズンには副キャプテンとして20試合出場1ゴール、J1に上がった2024シーズンは29試合出場5ゴールを挙げており、チームをリーグ6位フィニッシュに導いた。
今シーズンもJ1で21試合に出場している主力選手ではあるが、川崎が提示する金額次第では移籍も十分考えられるだろう。

安藤智哉(アビスパ福岡)
当時J3のFC今治やJ2の大分トリニータを経て、今シーズンからJ1のアビスパ福岡でプレーしているDF安藤智哉。
190cmの長身による空中戦の絶対的強さのほか、足元の技術の高さもあり、最終ラインから正確なフィードで攻撃を組み立てることが出来る。DF登録ながら得点力にも優れており、2022シーズンの今治時代にはJ3で29試合出場6ゴール、今シーズンもここまでJ1で21試合出場4ゴールを記録している。
開幕戦の柏レイソル戦(0-1)こそ控えに回ったが、翌節のガンバ大阪戦(1-2)から不動のCBとしてレギュラーに定着しており、チームに欠かせない戦力となっている。今最も勢いに乗っているDFと言えるため、移籍金を払ってでも獲得したい選手だろう。

山田奈央(徳島ヴォルティス)
2021シーズンから水戸ホーリーホックで4シーズンを過ごし、今シーズンから徳島ヴォルティスに移籍したDF山田奈央。
藤枝MYFCとの開幕戦(2-0)でスタメンに抜擢されると、以降は第21節の水戸戦(1-1)を除くすべての試合でフル出場を果たしている。
身体能力の高さやフィジカルの強さ、足元の技術の高さなどが持ち味で、攻守において要所でプレーに関与している。特に対人守備に強く、相手のチャンスの芽を摘む働きが光る。攻撃面では、最終ラインから精度の高いパスで好機を生み出すほか、セットプレーからの得点も期待できる。
2018年9月に行われたAFC U-16選手権の日本代表にも選出されており、国際舞台も経験済み。シーズン毎に着実にステップアップを遂げている22歳は、近い将来、日の丸を背負っている可能性も高い。J1でのプレーこそ未経験ではあるが、能力は十分。川崎入りが実現すると非常に面白い選手の一人である。

藤井陽也(KVコルトレイク)
2019シーズンから名古屋グランパスで5シーズンプレーしていたDF藤井陽也。2024年1月からベルギーのKVコルトレイクへ期限付き移籍し、同年6月に完全移籍している。
CBを主戦場としており、守備では1対1の強さや空中戦の強さ、裏のスペースをカバーする能力に長けている。攻撃面では、相手のタイミングをずらしたドリブルや正確なロングフィードが武器で、攻守での活躍が期待できる。
昨年8月25日に行われたシャルルロワ戦(0-1)で味方選手と衝突し長期離脱。すると守備の安定感を欠いたチームは、結果的に2部降格が決定した
2026年に行われる北中米W杯の日本代表メンバー入りを見据えるなら移籍の可能性は十分にあるだろう。候補の一つに川崎の名前が挙がってもおかしくない。
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