2024シーズンの明治安田Jリーグは、優勝や昇降格・入れ替え戦などJ1からJ3までの全日程が終了。シーズンオフとなるこれからの時期、各クラブとも翌シーズンに向けた補強に乗り出す。移籍や契約満了でチームを離れる選手たちの去就が世間を賑わせる一方で、今シーズン限りで現役引退を発表した選手たちもクラブを去る。
海外クラブを含め複数のクラブを渡り歩いてきた選手もいれば、プロデビューからひとつのクラブで戦い続けた選手もいるが、彼らが刻んだ輝かしい軌跡はサッカーファンのみならず多くの人の記憶に留まっていることだろう。ここでは、今年現役引退を発表した選手6名を紹介するとともに、彼らのこれまでの活躍を振り返っていく。※括弧内は最終所属クラブ
興梠慎三(浦和レッズ)
鹿島アントラーズや浦和レッズなどでプレーした元日本代表FW興梠慎三。高校卒業後の2005年に鹿島に入団した興梠は、2007年にプロ初ゴールを挙げると2009年には12得点を挙げ、鹿島のリーグ戦3連覇に大きく貢献した。
2012年、契約満了により鹿島を退団すると翌年からは浦和に所属し2017年にはキャリアハイとなる20ゴールを記録している。2022年に北海道コンサドーレ札幌へ期限付き移籍した興梠は、シーズン途中での怪我による離脱がありながら21試合に出場し5得点を挙げ、通算162ゴールを記録。J1通算得点ランキングにおいて当時歴代2位タイで並んでいた佐藤寿人(2020年引退)を抜いて単独2位となった。
2023年には浦和に復帰。2024年3月17日に行われたJ1第4節湘南ベルマーレ戦で通算168点目を記録し、鹿島所属時の2007年から「18年連続ゴール」というJ1歴代新記録達成の偉業を遂げた。そのほか、AFCアジアチャンピオンズリーグでの日本人最多出場および最多得点など数々の記録を持つ興梠。38歳の誕生日を迎えた7月31日に今季限りでの現役引退を発表した。
梅崎司(大分トリニータ)
大分トリニータのほか浦和や湘南などでもプレーしたMF梅崎司。2005年に大分の下部組織からトップチームに昇格すると2006年以降はスタメンとしてチームに貢献した。2007年1月には当時フランス2部のグルノーブル・フット38に期限付き移籍したが、わずか半年で大分に復帰している。翌2008年から2017年までは浦和でプレー。中盤選手の主力として活躍し多くのタイトルを獲得してきた。
2018年に完全移籍で湘南に加入したものの、2020年以降は怪我の影響もあり出場機会が限られた梅崎。2021年夏、13年半振りに大分へ復帰したが、この年の出場は4試合に留まりチームもJ2へと降格となった。2022年以降はチームのJ1昇格を目標にプレーしてきたが、同シーズンは5位、2023シーズンは9位、2024シーズンは16位とJ1昇格を果たせぬまま、梅崎は11月11日に今季限りでの現役引退を発表している。
青山敏弘(サンフレッチェ広島)
2004年に岡山県の作陽高等学校からサンフレッチェ広島に加入後、21年間にわたり広島一筋でプレーしてきたMF青山敏弘も今シーズンをもって引退する。J1リーグでの優勝3回(2012,2013,2015)のほか、J2リーグ優勝(2008)やYBCルヴァンカップ優勝(2022)などタイトル獲得に貢献し、2015シーズンに広島がJ1を制した際には青山個人も最優秀選手賞(MVP)を獲得している。
12月1日のJ1第37節(北海道コンサドーレ札幌戦)終了後には引退セレモニーが行われ、多くのサポーターが青山との別れを惜しんだ。まさに広島を代表する選手の1人と言える青山のプレーは、これからも人々の記憶に残り続けるだろう。
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