川島永嗣(ジュビロ磐田)
2010年に海外へ渡り、ベルギーやフランスでプレーしたGK川島永嗣は今季ジュビロ磐田で久々のJリーグ復帰を果たした。磐田のGKといえば、磐田一筋だったGK八田直樹が昨シーズンをもって現役を引退。2021シーズン以降は出場機会こそ限られていたが、精神的支柱とも呼べる存在を失っていただけに代表での経験も豊富な川島の加入は極めて大きな意味のあるものだったと言えよう。
磐田加入後は開幕戦からスタメンに名を連ね、ここまで27試合に出場。残留争いに巻き込まれる苦しいチームを最後列から支えている。神がかったセービングは今なお健在。強烈なシュートへの反応速度やエリア内へのラストパスに対する飛び出しの判断力といった技術の高さを見せている。直近の第34節セレッソ大阪戦では、終了間際に与えてしまったPKのピンチでビッグセーブを披露。勝負強さを見せつけチームに勝ち点3をもたらした。磐田は現在、未消化試合を含めて残り5試合で残留圏と勝ち点4差の18位。1年でJ2へ逆戻りの危機に瀕している。次節以降、現時点で2位につけるヴィッセル神戸をはじめ得点力の高いチームとの対戦を残しているだけに、残留は川島の双肩にかかっていると言っても過言ではないだろう。
菅野孝憲(北海道コンサドーレ札幌)
今年の5月で40歳を迎えたGK菅野孝憲。今季同ポジションのGK高木駿をはじめ多くの怪我人を抱え、順位もシーズン序盤から降格圏に沈む苦しいチームにあってここまで32試合に出場し、昨年と違い得点力不足に悩むチームに勝ち点をもたらすべく、ゴールを守る番人として奮戦している。
相手との1対1やサイドを崩された場面といった絶体絶命のピンチで全身を使いセーブするなど見せ場も多く、終盤戦に入ってからはクリーンシートも増えた。攻撃陣もシーズン前半はあまりなかった複数得点を挙げられるゲームが増え、攻守がかみ合いつつある。シーズン途中には、一時残留圏はおろか1つ上(19位)との勝ち点差も2桁に広がるなどもはや降格は免れないと思われた札幌。しかし、終盤にきて下位勢との直接対決で連勝するなど勝ち点を積み上げ、現時点で残留圏である17位柏レイソルとの勝ち点差7のところまで迫っている。残り4試合であることを踏まえると残留が厳しいことに変わりはない。それでもシーズン半ばの絶望的な状況から考えれば、むしろ逆転残留に向けて士気は高まっていることだろう。そんなチームをさらに後方から鼓舞するためにも、残り4節守護神菅野には引き続きゴールを死守する気迫あふれるプレーを期待したい。
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