2024明治安田J1リーグは第33節までが終了。一部のクラブで未消化試合があるものの、いよいよシーズンは大詰めを迎え上位下位問わず激しい順位争いが繰り広げられている。
直近2年連続で3位となっているサンフレッチェ広島、連覇を狙うヴィッセル神戸、新興勢力の町田ゼルビアと3クラブを中心に優勝争いが注目される中、残留争いは次節にも新たな局面を迎えそうだ。
現時点では、勝ち点40に届いていない13位浦和レッズ以下8クラブに降格の可能性が高いと言えるが、2試合消化の少ない浦和は他クラブと比べ脱出のチャンスが多いことから残留のハードルは高くないと見られる。つまり、14位アルビレックス新潟以下の7クラブから今季のJ2降格チームが出る可能性は極めて高いと言えよう。ここでは、そんな7クラブの残り試合について展望する。
次節にも降格決定か:サガン鳥栖(現20位)
残りの対戦カード
- 京都、町田、横浜FM、名古屋、磐田
12シーズンにわたってJ1を維持してきたサガン鳥栖だが、その座から陥落の危機が迫っている。現在勝ち点26で最下位となっており、残留圏との勝ち点差は12。さらにその12差の中で、湘南ベルマーレは同じ消化試合数となっているが、柏レイソルと京都サンガは未消化試合があるため見た目以上に厳しい状況と言わざるを得ない。
今季の鳥栖は、開幕して間もなく3連敗を含む6戦未勝利と出遅れ、その後も勝利のあとには連敗が続くという厳しい展開に。夏にはそんな状況を打破するために川井健太監督の解任に踏み切ったが状況は好転せず、監督交代後は未だ1勝もできていない。さらに今夏は、MF河原創やMF長沼洋一といった主力選手が相次いで流出。大幅な戦力ダウンも不調に拍車をかけた要因と言えよう。
鳥栖は次節、残留争いのライバルである京都との直接対決を控えている。この京都戦で敗れ、さらに15位湘南と16位柏が引き分け以上で終えるとその時点で降格が決定する。また、仮に次節の降格を免れたとしても、消化試合数と勝ち点差を踏まえると降格はもはや時間の問題と言わざるを得ない。
後半戦好調も厳しい:北海道コンサドーレ札幌(現19位)
残りの対戦カード
- 名古屋、C大阪、湘南、広島、柏
今季は開幕から5連敗を含む6戦未勝利でスタートした北海道コンサドーレ札幌。さらに5月中旬から7月頭にかけて8連敗を喫し、もはや降格は免れない状況に陥った。しかし、第23節神戸との引き分けを機に好調に転じる。特に第27節以降は鳥栖やジュビロ磐田といった残留争いのライバルに連勝。第32節には京都も破り、下位勢から確実に勝ち点を挙げ現在残留圏との勝ち点差は9となっている。
ただし、消化試合数の違いから暫定で16位の柏と17位京都との勝ち点差は開く可能性もある。その中で、次節以降の対戦では湘南、柏と残留を争うライバルとの対戦も控えている。後半戦の流れのまま、この2試合を勝利で終えられれば残留の可能性は見えてくるが、そこまでの名古屋グランパス戦とセレッソ大阪戦で現状の勝ち点差を縮めることができなければ直接対決の構図は出来上がらない。
残りの対戦カードにおける今季の戦績は3分2敗と勝利がない。しかし、前半戦の札幌とはひと味違うチームになっていることも事実だ。最終盤に残るライバルとのゲームまで残留の可能性を残すためにも、第34節名古屋戦と第35節C大阪戦での勝ち点積み上げが必須となる。
J2へ逆戻りは回避したい:ジュビロ磐田(現18位)
残りの対戦カード
- C大阪、神戸、G大阪、横浜FM、FC東京、鳥栖
昨季のJ2リーグ、最終節で自動昇格圏へ浮上し劇的な形でJ1復帰を果たしたジュビロ磐田。しかし、現時点で18位とJ2へ逆戻りしてしまう可能性が高まってきている。下位2クラブに比べ大型連敗はないものの勝利が続かないまま調子を上げることができず、暫定で残留圏から勝ち点6差となっている。
残留圏にいる中で勝ち点の並んでいる15位湘南から17位京都までのうち、唯一湘南とは消化試合数が異なることから見た目よりも勝ち点差を詰める要素が残っている。とはいえ、残りの対戦カード6つのうち4つがトップハーフ。勝ち点3はおろか引き分けに持ち込むことも簡単ではない相手ばかりだ。さらに残りのカードにおける今季の戦績も3分3敗と勝ちがなく、同じ結果で終えれば仮に残留圏にいるクラブが全敗したとしても追いつけない。
下位勢との直接対決が最終節(鳥栖戦)のみとなっている点も、磐田の状況が苦しいと言える要素。未消化の横浜F・マリノス戦も含め、上位勢との対戦でも勝ち点を稼げなければ残留は不可能となる。カギを握るのが直近の4戦では負けなしも後半戦に入り4連敗を含む8戦未勝利と不安定さを見せたC大阪と、同じく上位につけながら夏以降9戦未勝利で大きく失速したガンバ大阪の2つの対戦カード。今季調子の上がってこない横浜FM戦と最下位鳥栖戦での勝利を絶対条件に、後半戦不調を見せた大阪の2チームからどこまで勝ち点を稼げるかが分かれ目となりそうだ。
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