ジェフ千葉の注目ポイント
一方、リーグ戦を6位で終えた千葉は、第41節ザスパクサツ群馬戦(2-1)終了時点で既にプレーオフ出場権は掴んだが、V・ファーレン長崎に1-3という結果で負けてしまった第42節最終戦の雰囲気をいかに断ち切れるかがポイントと言えよう。
2023シーズンより指揮官を務める小林慶行監督の初年度目標達成が現実味を帯びている。同時にそれは、14年ものJ2期間において千葉に関わる者たちが抱き続けた共通目標でもあることは明白だ。チームはベテランと若手が織りなす強度の高いサッカーでJ1昇格を目指す。
一時は21位と降格圏にまで沈んだが、そこから意識を徹底改革した千葉。夏に加入したFWドゥドゥと、リーグ13得点を記録したルーキーFW小森飛絢の活躍もあり、切り替えの早いサッカーで勝ち点を積み上げると、リーグ終盤ではクラブタイ記録となる7連勝も達成し、見事にプレーオフ圏内にまで上昇するほどの勢いを見せた。
しかしだからこそ、第39節東京V戦(2-3)での敗戦は痛かった。アディショナルタイムの2失点による逆転劇は、それまで8戦負けなしだったチームにおける兜の緒を改めて締めさせたに違いない。プレーオフという舞台で、そのような敗戦のイメージを引きずることは避けたい。
キャプテンのDF鈴木大輔やホームグロウン選手であるMF米倉恒貴といったJ1の舞台を知るベテランたちが、いかにチームを安定させることができるかにも注目だ。
似た境遇の両チームの縁
Jリーグ30周年を迎えた2023年。リーグ発足時の10クラブ、通称「オリジナル10」であるという共通点をもつ東京Vと千葉が、J1の舞台を目指すために勝負することは何かの縁に違いない。そしてもう1つ、両チームに共通することは、30年のうちおよそ半分の期間をJ2で過ごしてきたということだ。
栄光と挫折、その両方を味わってきた歴史あるチームだからこそ、今回のプレーオフには特別な想いがあるはずだ。サポーターやクラブ関係者も、この試合に懸ける熱量はすさまじい。そのような重圧のかかる舞台で、いかに「自分たちのやりたいプレー」を臆さず実行することができるかが、勝負の分かれ道になる。
トーナメントという一発勝負の形式上、立ち上がりはやや落ち着いた試合展開になることが予想される。そのなかで、どちらがいかにミスを恐れずアグレッシブなサッカーを実行することができるかに注目したい。
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